2005年06月21日

飛びます飛びます

 この写真は春先に撮ったものです。適当なカットを探してたら出てきました。雉(キジ)です。昔話『桃太郎』に出てくるあの鳥です(なおこれはオスです。メスはぜんぜん姿が違います)。
 私の近所では、明け方など、田んぼでキジを見かけることがあります。……というこの話を姉妹がすると、彼女らの学友は「どんな田舎なのそれは?!」「クマとかも出るの?!」と本気で驚くそうです。そんな驚くことじゃないと思うんだけど。だって普通にいるもの。そりゃ多少は珍しいですが、まれってほど珍しいわけじゃない。ああ、いるなあ、見たなあ、そのぐらいの珍しさです。
 ちなみにクマは出ません。そんな山奥じゃないですってば。これだから都会育ちは困る。田舎は異郷ちゃいまっせ、水道も電気も国道もスーパーもありまっせ。なぜかカシオの直営店とかシネコンとか『ヴィレッジバンガード』とかもあります。……どんな田舎だ。

   *

 まあ唐突にぶっちゃけるような事でもないんですが。今日、わきの下の毛を剃りました。剃ってからしばらく両わきがチクチクしてたんですが──それは予想の範囲内だったんですが──なぜか右のわきの下だけそのチクチクが収まってません。右側は心臓から遠いからでしょうか。私が右利きだからでしょうか。それとも右のわきだけ何かが違うのでしょうか。毛のはえ方とか。単に、私の剃り方とか。
 ……この中に正解はあるんでしょうか。人生には謎がつきものです。定食にはナスが漬け物です。ビデオテープには貞子が憑き物です。おお、怖い。

 どうでもいいんですが、ペンションのビデオデッキが『ベータ』だったら貞子ウィルスは蔓延しなかったんでしょうね。って『リング』を知らない人にはわけわからない話ですね。いや……しかしそう考えると、ソニーの功績は偉大だなあ、なんて。よくわかりませんけど。テレビドラマの『リング』ではCD-Rにも憑依してましたし。ってそういう問題でもないのか。何が問題なのだ。言うてみよ大臣。怒らんから。ヒゲに誓う。

   *

 さておき。舞台は2005年です。

 ここ数日、妙に詩が書けています。ふと出だしの一行だけ思いつき、ぽろっと書き出してみると、それがことごとくいい作品になる。なんにも全体像とか見えてないのに、書きながらどんどん展開が浮かび、ごく自然で後味のいいオチがつく。どうしたんだろう。
 たまにあるんですよね、こういう時が。『(無題)』や『ジャックインジャック』を書いた時がそうでした。何かが降りてきてるとかそういうんじゃなくて……私はつい理論で組んでしまうから。その理論・理屈が、いい感じに働かなくなってるんだと思います。だから「感覚5:理論1:発想4」ぐらいでふぁっと自然なものが書けているのかも。
 ま、自分で「書けてる」なんて言うのもどうかしてますけど。……自分で頭つかって書いた気がしないからかな、そんな事が言えるのは。

   *

 夏が来ました。夏に来るものと言えば、蚊です。蚊が来ました。映画『宇宙戦争』なんて目じゃありません。日本を無数の蚊が来襲しようとしています。先行公開で我が家にはもう来襲してきています。……けえってくれ! 頼むからけえってくれ!
 羽音がすると眠れないので、数年前に買ってほったらかしていた耳栓を出しました。って何だこの「夏ぶとんを出しました」みたいなノリは。事態はもっと深刻であるぞ。

 耳栓をして寝てると、自分の心拍や息が妙に怪物的に聞こえます。それが逆に睡眠を妨げたりもするんですが、ちょっと面白いです。口を閉じたままで「がっきゅうぶんこ」と言ったりして遊びました。変な感じです。もともとが変だと言えばその通りです。何もかもが変です。ぼく・ぼく・わらっちゃいます。

 ……。いったい私は何歳なんでしょう。自分で自分が信じられません。

   *

 ああ、どうして、普通に近況を書こうとしたのに。どうして超駄文に走ってしまうんだろう……。

 上記の「妙に詩が書ける状態」ともつながるのですけれど。
 詩を書いていて、よく「書き足したフレーズや展開から、新たなアイデアや小ネタが浮かぶ」ことがあります。「ここでも遊べる」「ここにはこれが足せる」「こんなオチもアリだ」「こんな語調にしても面白い」「こんなバージョンもありうる」など。当初はそんなものを入れるつもりはなかったのに、題材や単語やフレーズが勝手にアイデアや可能性を提示してきて作業量がどんどん増大していく。
 ……根が貧乏性なので。『そんなモン要らん』とは言い切れず、とりあえず見えたものは書いてみる、ということがよくあります(もちろん書いてみて『やっぱアカン』と思えばそれはボツにしますけど)。
 超駄文が書ける私の思考というのは……それと良く似てる気がします。横道が見えるととりあえず踏み込んでマッピングしてしまう。ひとと話す時や『詩のあるからだ』のMCなどではこの「寄り道好き・脱線したがり」は意識的にひかえてますが、もしかしたら本当は話がめちゃくちゃ飛ぶ人なのかもしれません。迷惑な……。
 ……。「飛ぶ人」ではなく「飛べる人」と言うと急に豊かに思えるから不思議です。

 余談ですが、上記のように「書きながら可能性が見え、それを辿れば完成形が見える」場合は少数です。書きながらどんどん迷路にはまっていく場合や、書いても書いても手がかりが見えてこない場合、手がかりだけ見えてて実際の部品が思い浮かばない場合などが大多数です(感覚的でわかりづらい話だとは思いますが……)。気持ちがニュートラルでない場合や直感が働かない場合は、たいてい理論で掘り進んでウダウダしています。
 そう思うと……ここ数日の調子というのは、やはりとても幸福なことなのかもしれません。こうしたモードが意識的に出せるようになれば無敵なんだけどなあ。
posted by 若原光彦 at 21:53 | Comment(10) | TrackBack(0) | 近況

2005年06月16日

07-23(土)『かっぱかっぱらったかい』

 谷川俊太郎氏のイベントです。昨年『常滑市民文化会館ホール』での第六回を見に行きました。今回のチラシ等は持ってはいないので、以下の情報は「Yahoo!チケット:東海:イベントほか:トークショー:かっぱかっぱらったかい」を参考にしています。

2005-07-23(土)
『かっぱかっぱらったかい』

【日時】
2005年7月23日(土)
13:00開場、14:00開演

【入場料】全自由席 800円
*小学生以上有料。未就学児童は入場不可。

【会場】武豊町民会館(ゆめたろうプラザ)・輝きホール
愛知県知多郡武豊町字大門田11
TEL:0569-74-1211
FAX:0569-74-1227

【問合せ先】
天木隆:0569-48-1700


 前回(2004年6月26日(土))の会場は常滑市でした。今回は武豊町(たけとよちょう)、どちらも知多半島に位置しています。前回の公演内容は──

・「かっぱかっぱらったかい」会員による朗読・群読
・谷川俊太郎による朗読
・谷川俊太郎と司会者によるトーク
・観客から谷川さんへの質問&朗読リクエスト

──でした。ロビーで会のTシャツや過去のプログラム、谷川さんの著作やCDなども販売されていました。私の買った過去のプログラムには、その回に朗読した詩が全部載っています。詩集としても読めます。ちょっとお得。
 お客さんは小さい子からご高齢の方までじつに様々でした。作家のトークライブだからと硬くなっている人は少なく、わいわいと席を譲り合い、ひとつのプログラムを二人で見たりしながらリラックスして楽しんでました。リピーターが多いみたいでしたが、うなずけるところがありました。構えず自然体で楽しめる会でした。

 去年、自分は『ともかく行ってみよう』という感じで静かに座ってましたが、今年ももし行けるなら……質問コーナーで幾つか聞いてみたいですね。若い人のリーディングをどう思うかとか、ネットをどう思うかとか。場違いでないていどに。

 そうそう。去年、チケットはファミリーマートの端末を使い『チケットぴあ』で買ったんでした。で、今『電子チケットぴあ』を調べてみたところ……おお、ありました。こちらです。去年はほぼ満席の状態でした。ご興味のある方はお早めに。
posted by 若原光彦 at 23:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | みんなのイベント情報

2005年06月15日

06-25(土)26(日)『イリュージョン』

 先日、チラシ配布のため名古屋市内のスポットを回っていて見つけました。

2005-06-25(土)・2005-06-26(日)
『寂光根隅的企画第2弾
ILLUSIONS(イリュージョン)』

【原作】リチャード・バック
【脚本】渡山博崇(劇団イリスパンシブルティ)
【演出】寂光根隅的父
【照明】多田さとみ(OPT)
【音響】Acousphere
【衣装】木場絵里香
【舞台監督】金子康雄
【演出助手】佐伯知佳子,篠田竜太
【制作】寂光根隅的父,レオナルド備前
【制作協力】大島寛之
【イラスト】千田アツ子
【デザイン】フルヤカツトシ(シナプスプロジェクト)
【出演】獅子見琵琶(双身機関),澤村一間,後藤好子(俳優館),山田マキオ(劇団NANジャガー),レオナルド備前(劇団pH-7),ロンリーウルフ光浩(劇団夢稀)神井戸みか,いかすがい,龍元誠之

【日時】
2005年6月25日(土)
13:30開場・14:00開演
19:00開場・19:30開演
2005年6月26日(日)
14:30開場・15:00開演

【入場料】
前売り2500円/当日2800円

【チケット取扱い】
jakopapa@syd.odn.ne.jp
芸分センターB2階PG
名古屋シネマテーク
ウニタ書店
空色曲玉
*日時指定/全席自由

【会場】
日本陶磁器センター3F大会議室
愛知県名古屋市東区代官町39-18
*地下鉄桜通線「高岳」2番出口より東へ徒歩7分
*地下鉄東山線「新栄町」2番出口より北へ徒歩7分


 この劇の原作は『イリュージョン 退屈している救世主の冒険』のようです。リチャード・バック作・村上龍訳・集英社文庫で読んだことある人も多いでしょう。私、このお話が大好きなんですよ。たぶん30回は読み倒したと思う。脳内でコミック化しながら読み、ラジオドラマ化しながら読み、映画化しながら読み……いろんなイメージングをしながら読みましたね。一度はマンガ用のキャラデザインを書いてみたことすらありました。そのぐらい没頭した作品です。
 以前、大阪で朗読劇として上演されたこともあったようです。ネットでそのことを知ったとき『くそー! 観たかったぜー!』と無性に悔しかったです。

 見に行ってみようかな、この劇。でも26日(日)は『続・ぽえ茶』の日でもあるのでちょっと無理です、行くなら25日(土)かな。
posted by 若原光彦 at 01:34 | Comment(2) | TrackBack(0) | みんなのイベント情報

07-02(土)『中日詩祭2005』

 8日(第2水)の『詩のあるからだ』で、長谷川節子さんから情報いただきました。

2005-07-02(土)
『第45回中日詩祭』

【サブタイトル】
詩が垂直に降ってくる──。

【日時】
2005年7月2日(土)
12:30開場・13:00開演

【プログラム】
司会/渡辺正也
13:00:中日詩人会会長あいさつ(岡崎純)
13:15:中日新聞文化部長あいさつ(林寛子)
13:30:第1部
第45回中日詩賞の贈呈
詩賞選考経過の報告
中日詩賞
中日詩賞新人賞
受賞者のあいさつと詩朗読
14:10:第2部
講演/以倉紘平(いくらこうへい)
演題「<幻想>詩の発生──私のサーラ体験」
15:15:休憩
15:30:第3部
二胡コンサート/張照翔(ちょうしょうしょう)
シルクロード,追い風のモンゴル,夏の思い出,いい日旅立ち,他

【入場料】
会員1000円,一般1500円

【会場】
名古屋電気文化会館イベントホール5F
愛知県名古屋市栄2丁目2-5
TEL 052-204-1133
*地下鉄「伏見」駅下車徒歩10分

【主催】
中日詩人会・中日新聞社


 こうしたイベントって行ったことがなかったです。中日詩人会の会員でないと入れないものだと思っていました。……「中日詩人会」自体、私にはよくわかっていないのですけれど。
 アカデミックな雰囲気のイベントって、ネット上では検索してもあまり出てきません。入場料もお手ごろですし、一度お邪魔してみてはいかがでしょうか。
posted by 若原光彦 at 01:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | みんなのイベント情報

07-16(土)『日本の詩歌』

 先日8日(第2水)の『詩のあるからだ』の際に、石黒さんよりチラシを分けてもらいました。ご紹介します。

2005-07-16(土)
放送大学愛知学習センター
第11回公開講演会『日本の詩歌』

【日時】
13:00〜16:00
入場無料・申込み不要

【講師】
田中喜美春(たなかきみはる・元名古屋大学教授)
野山嘉正(のやまかせい・放送大学教授)

【コーディネーター】
斉藤文俊(さいとうふみとし・放送大学・客員助教授)

【会場】
放送大学愛知学習センター
〒466-0825
愛知県名古屋市昭和区八事本町101-2
中京大学センタービル4F
TEL 052-831-1771


 チラシ裏面には講師・コーディネーターの略歴とともに「講演のレジュメ」という項目が書かれています(レジュメという言葉を知らなかったので調べたところ──

レジュメ(goo辞書)
フランス語。論文などの結論またはその過程を簡潔にまとめたもの。梗概。概説。要旨。レジメ。

──とのことでした)。講演内容の概要ですね。私なりにまとめて抜粋しますと……。
 田中氏は「歌の新時代」と題し、万葉集がどう継承され仮名文学へ至ったのかについてお話されるようです。
 野山氏は「近代詩歌の特質」と題し、日本の詩歌全体においての近代詩歌(明治大正を中心とした漢詩・短歌・俳句・新体詩)の位置づけを、それら全てをカバーしていた正岡子規を参照にしてお話されるようです。

 ちょっと……難しそうですね。講演を聞くより関連書籍を読んだ方が頭に入るような気もしますし……でもちょっと興味があるし。悩みます。
posted by 若原光彦 at 01:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | みんなのイベント情報

2005年06月12日

歩くのが趣味の人リターンズ

 以前(2004-12-29)自分を『地下鉄の乗換えが趣味の人みたいだった』と書いたことがありましたが。ここ一週間は『歩くのが趣味の人』みたいでした。歩いた、ひたすら歩きました──

●5日(土):東京北区王子『血の朗読』へ。
●6日(日):東京より帰還。の前に、国会議事堂を一周と上野公園を散策。
●8日(水):名古屋八事『詩のあるからだ』……の前に、栄・矢場町などの各スポットにフライヤー配布。
●10日(金):名古屋市内(西は「中村公園」から東は「上社」まで)各スポットへフライヤー配布。

──愕然としています。あれだけの歩行が「散策」「フライヤー配布」という微かな言葉に集約されてしまうなんて。永田町の国会議事堂を一周してごらんなさい。たぶんあれだけでも3キロぐらいありますよ。おまけに東京の地下鉄の乗り換えの凄まじいことといったら……名古屋なんて比べ物にならない。なんだあの「エスカレーターに乗らなかった人が地獄を見る」構造は。エスカレーターに乗っても「コケたら死ぬ」状況は。古い建築物の隙間に新しい建築物を混ぜ込んできた結果なんでしょうが、有機的にも程がある。近未来都市・首都東京のイメージは完全にぶっ壊れました。混沌の極致です。人の住むところじゃない。下半身がムキムキになってしまう。

 余談ですが。わざわざ国会を見学に行ったのですが──

・平日なら衆議院は見学できる。
・今日(6日・日曜日)は参議院が見学できるが、議員の許可が要る。

──とのことで入れませんでした。国会議員の友人なんておりゃしませんてあーた。まあ下調べせずに行った自分が悪いんですけど。しょうがないから国会図書館で奇書でも漁って帰ろう、と思ったら日曜は休館日でした。下調べせずに行った自分が悪いんですけど!『何だ? これが伝説の「お役所仕事」か?』と事態を大げさに捉えてみましたが無意味でした。
 門の「休館日」という札の向こう側に猫がいました。しばらく私が茫然自失していると、猫はゴロンと横になって眠り始めました。猫……あんたはいいねえ……。しょうがないので地下鉄の駅に戻ろうと歩き出すと、国会図書館の植え込みに「猫害が出て困っています。猫に餌をあげないで下さい」という張り紙がありました。変なところだ、と思いました。休日で不気味なぐらい無人だし、そのくせ防弾ヂョッキの警官があちこちに立ってるし。警察の護送バンはあちこちに停まってるし。日本じゃないみたいでした。本当に変なところだ。どこなんだここは。

 そうして国会周辺で時間を食ったあと『秋葉原とか新宿とか渋谷とか行ってもしょうがないし……浅草で外国人向けの変なみやげ物でも笑うかなあ。そうだ、9月に行くであろう上野公園に行ってみよ』ということで上野へ向かいました。
 上野公園は賑やかでした。デニムのミニスカートの女の子がきょろきょろしながらあちこち撮影して回ってました。かわいいかったので声かけようかとも思ったんですが、やはり思っただけでした。西郷隆盛の銅像は「実物大じゃなかった」です。「大魔神の中の人」みたいでした(見たことないけど)。あんな人間がいたら怖いです、どんなスポーツでも1位になれます。歩くたびに地鳴りがします。犬がかわいそうです(犬は実物大に見えました)。

 ……。地元なら数キロぐらい平気で自転車で動き回るんですが。都会で徒歩というのはくたくたに疲れますね。特に、繁華街は曇りだと方角がわからなくなる。しかも(名古屋はそれほどではないんですが)東京はどこもかしこもが繁華街でしたから(と私には見えました)。「家にベランダの付いてるほうが南」とか通用しない。コンクリートジャングルとはよく言ったもんです東京砂漠。

   *

 名古屋フライヤー行脚(あんぎゃ)は……チラシが重くて、紙袋は持ち手の紐がちぎれて、これまた災難でした。まあこの程度の災難ならいくら来たって負けませんけど。重いリュックを地下鉄の網棚へ片手で放り投げるたびに、乗客全員が心配そうな顔をしてましたね。席に座っていて私のリュックが頭上に来た人が特に。そんなに怪しいか、私。
 劇場や専門学校、書店などへ行きましたが、私が『チラシを置かせて頂けないでしょうか』とたずねると、みなさんこころよく対応して下さいました。礼を述べるとほぼ必ず「お疲れ様です」と言われました。確かに疲れてるけど、なんか妙な挨拶だな、と少し思いました。そんなに疲れた風貌してたんだろうか。……軽く頭を下げて出て行き、ちらっと振り返るとほとんどの方がしげしげとチラシの表裏を「読ん」でいました。そういう作りのチラシでしたから。興味持ってもらえてるようで、ちょっと嬉しかったです。

 余談につぐ余談ですが(略して余余談とでも)。
 8日の帰り、地元の駅で電車から降りてホームから地上へと駅の階段を下りていたところ、私の並んだ列だけ進みが遅くて苛立ちました。先頭の男性がトボトボとやけにアンニュイな歩き方をしていたのが原因です。『俺等にあんたのアンニュイのとばっちりを食らわすなーっ!!!』と後頭部に真空飛びヒザ蹴りでも見舞ってやりたかったです。
 10日の帰りも同様のことが起こりました、列の進みが私の前だけ遅い。またかと思ってひょいと見ると、先頭が足の不自由なご老人で、手すりにつかまりながら階段を一段ずつ降りておられたためでした。『そうか……あのアンニュイな男性も、好んでアンニュイな歩みをしていた訳ではなかったのかもしれない。みんな辛いんだ』。蹴らなくて正解だった、と自分の浅はかさを思い知った次第です。疲れてるからって人を悪く見ちゃあいけない。

   *

 どうでもいいんですが、エスカレーターでコケると「頭から血を流しながらもそのままエスカレーターに運ばれる」ことになったわけですね。ちょっとそれも面白かったかもしれません。……いや。面白くない。断じて面白くなどない。
posted by 若原光彦 at 10:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 近況

なに屋あらわる

 ひさびさに超駄文でも。……ちなみに、今これを書いている私のパソコンでは「ちょうだぶん」は「超駄文」と一発で変換される。「超駄文」をユーザー辞書に登録してあるのだ。そんな人間は世界でも私一人だろう。少しだけ優越感だが少しだけ孤独だ。

   *

 先日、本を読んでいて「最近人になって教えられたが」という文章に出会い仰天した。何だこの作者は。妖怪人間か。それも大願成就して人間になったばかりなのか。よく見るとなんのことはなく「最近になって人から教えられたが」という部分を読み間違えただけだった。ただの間抜けである。

 さておき話は変わる。よく照れる人のことを俗に「恥ずかしがり屋」と言う。そこで私はふと思った。『屋って何だ』。「恥ずかしがり矢」ならまだわかる、矢が恥ずかしがっているのだ。「恥ずかしがり夜」もわからないでもない、恥ずかしがりの夜だろう。では「屋」が「恥ずかしがり」とは何ぞや。いずくんぞや。
 よくよく考えてみると、人物の特定の傾向を指す日本語というのは変なものばかりだ。涙がちである人のことは「泣き虫」。いきなり虫よばわりである。これがすぐ怒る人のことになると「怒りん坊」で「坊主」になる。敗者は「負け犬」。多面的な対応は「八方美人」、助平の変質者は「出歯亀」。
 これら全ての性質を備えた人物を省略して表現するとこういうことになる──

「ほらあの人って虫でいてけっこう坊主だから。そもそも犬が美人で根が亀なのがいけないのよね」

──何だかわからないが健康には悪そうである。ていうか人じゃない。

 他にも面白い言葉はないだろうか。たとえば英語では「のどぼとけ」のことを「アダムの林檎(the Adam's apple)」と言う。この感じで身体を表現していくと──

「林檎からソラマメにかけてが慢性的に病弱、餃子とパン生地にも深刻な被害」

──という作物概況のような状況になってしまうのではないか。つくづく、感じなどで物を言うべきでないと痛感した次第です。
 などとあれこれ思い巡らしていて、ふと今の自分に最適な単語を発見した。「馬鹿」である。嫌だ、馬だか鹿だかわからないのは嫌だ。私も早く人間になりたいと思う。

   *

 と……宮沢章夫氏の『青空の方法』(朝日文庫)を読んでいたので書く文章がすべからくこんな調子だ。なあに、しばらくすれば直る。いつものことですたい。
posted by 若原光彦 at 08:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 超駄文

2005年06月03日

06-06(月)までPCを離れます

 2005-06-04(土)、朝から家を離れます。東京都北区王子にてリーディングしてきます。

POECA! - イベント詳細 [血の朗読]
http://www.poeca.net/cgi/db.cgi?action=details&code=2132

桑原滝弥・公式サイト「buleai」
http://www.geocities.jp/takiyakuwahara/

 東京へ行くのは初めてです。東京ディズニーランドなら行ったことありますけど。

 おとつい・きのうと自分好調でした。一気に新作が書けたし、朗読の練習も身が入ったし、本を読んでもすらすら読めるし。センシティブなんだけど勢いがある、こういう調子の時はいろんな作業がてきぱき進みます。このテンションを維持したまま帰ってこれたらいいな。

   *

 ……というわけで。4日(土)から5日(日)まで自宅を離れ、その間メール等チェックできなくなります。では、行ってきます。
posted by 若原光彦 at 12:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 若原光彦 活動予定