2006年02月26日

03-11(土)『言葉ズーカVol.その4』

 ISAMUさん主催『言葉ズーカ』第四弾をお知らせです。第一弾が「始動」、第二弾が「女性」、第三弾が「パパと娘と息子とアート」……という感じでしたが、今回は「2人」がキーワードです。
 ポエトリーリー・リーディングってたいてい1人で行うものですが、今回の『言葉ズーカ』は2人で1出演という珍しい仕組みになっています。かけ合い・伴奏など、出演者それぞれが策を練ってくるでしょう。個性のぶつかり合いになるか、ハーモニーになるのか。

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posted by 若原光彦 at 00:03 | Comment(4) | TrackBack(0) | みんなのイベント情報

2006年02月18日

ベティが水をやるように

 猫ひろしは、ピン芸人のヒロシを見たとき「やばい」「でも猫じゃないからいいか」と呟いたらしい。

 という風だったら面白いかもしれない、と思わないでも思いませんでした。若原光彦です。なんとなく駄文を書きたい気分になったので無理してでも書いてみようかなという感じです。……なんだこのすごく正直な文章。いいんかな。まあいいか。

 ちょっと今、体調悪いです。と言ってもカゼなどではなく。風間杜夫でもなく。セザールはマリオでもなく。……ええと、なんだっけ。そう。体調です。
 夕食にパック寿司を食べまして。その中に生エビがあったんですが、それにやられました。エビが悪かったわけではないと思います、まえに回転寿司で生エビ食べたときも舌とノドがおかしくなりました。同じ症状です。
 まず、舌がかゆい。「舌がかゆいってどいうことやねん」と思われるかもしれませんが、かゆいものはかゆい。こう……舌がしびれてピリピリするのです。舌先だけでなく、裏も表も全面がかゆい。舌の表面は10分もすれば良くなるのですが、裏側の先端がいつまでもかゆい。
 そして、ノドもかゆい。かゆいと言うか……舌に現れたのと同じピリピリしたしびれがのどにも出ています。いがらっぽいのだけれど、寝起きなどでのノドの荒れ方とは違います。もっと微細に、緊密にいがらっぽい。ノド全体がまんべんなくいがらっぽい。ああ、もう、表現できないのがもどかしい。

 ……。モモカシー、って言うとなんか新しいスポーツみたいですけどあんまり関係ないですね。「モモカシー専門店」とかあったら高尚そうでかつ非常に怪しそうですけどそれもあんまり関係ないです。とりあえず脳内で起動中の「若原シムシティ」に作っておきましょうかね、モモカシー専門店。

 ところで、先ほど「風間杜夫」と書いたとき、『この字で合ってたかな……』とGoogle検索で確認してみたのですが──

かざまもりお - Google 検索
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E3%81%8B%E3%81%96%E3%81%BE%E3%82%82%E3%82%8A%E3%81%8A&lr=lang_ja

──?! 驚きました。まさか人名で、それも日本の現役の俳優で「もしかして」機能が発動するなんて。「もしかして: 風間杜夫」……うーん。そう言われるともしかして私のことかと不安になってしまうのはなぜでしょう。「検索をご利用になられたお客さま、もしかして風間杜夫ではありませんか」。いや、私は風間杜夫ではない筈なのですけれど。そりゃ確かめたわけではありませんが、たぶん違います。お断りです。いやな客ですみません。

 さておき話はエビの呪いに戻るわけですが、症状は舌とノドだけではありません。腹もです。エビで体調がおかしくなった数分後、急に腹が重いような……満腹感が出てきました。そして、熱くないのに顔が汗ばんできました。
 やっぱりエビが悪かったんだろうか。前に回転寿司でもあったことだから、単なるアレルギーだと思ってたんだけど。体調が悪いといってもごく軽微なもので、日常生活に問題はないのですが何かこう、切迫感があります。死にはしないのだろうけれど。何か、意識がしっかりしているあいだに何かしなければならないような、切迫感が沸き起こってきます。

 ……で、書いたのがこの文章というのはいかがなものか。この文章が私の絶筆にでもなろうものならそれは大変に愉快ですが不愉快でもありダイアモンド・ユカイです。
 いま思い出したのですが、私は中学の寄せ書きに「愉快なり。」と書いたことがあります。人生楽しく生きましょうという私なりのメッセージだったのですが、達筆すぎてちょっと怖い出来上がりとなったのが印象的でした。イタい思い出です。「愉快なり。」ってお前は侍か。私の侍ジョブはそんな昔から成長していたのか。武士道とは死ぬことと見つけたり。武士は食わねどエビ呪い。ぎゃふん。

   *

 さておき。話は変わります。ココアを飲み煙草を一本吸ったらノドのしびれは消えました。腹はあいかわらず怪しい感じですけれど。もともと全身が怪しいので問題ありません。地球は広いのです、ちょっとぐらいの怪しさが何ですか。身の程をわきまえなさいベティ。はいわかりましたクックさん。お花にお水をあげてきます。
 ……と。ハウス名作劇場っぽい何かはこれぐらいにして(しかしそれすらも怪しい)。

 先週『現代詩フォーラム』に入会しました。入会、っていうと大げさですけど。突入したとか当選したとかよりは普通でしょう……ま、とにかく。
 入会といっても、基本的にはあまり大差はないです。未読作品のリンク文字色が変わるようになったり、投稿が可能になったり、その程度です。私信(『mixi』の「メッセージ」みたいなもの)が来るようなこともないですし、まあ、平々凡々に新入会員やってます。意地になって既読率を上げてみたりはしましたけど。その他にハメを外すようなこともなく。
 『現代詩フォーラム』入会にあたっては、ちょっと……不安もありました。今でも不安がない訳ではありません。なんだかね、あの中に飲まれると創作があの流れ、あの調子に色づけられてしまうような……そんな磁場のある、強力な場だと感じます。巨大サイトではどこでもあることだとは思うんですけれど。詩に限らず。
 評論を書いたり雑文を書いたりもしたくなったんですが、私はちょっと距離を置きながら、いち閲覧者に近い立場で使っていくことにしました。作品が書ければ投稿するけれど、ポイントを集めようとは思わない。ぬか喜びしない。自分がポイントを与えるときも、一般に「おすすめ」できるかどうかで決める。自分個人が楽しめただけではポイントしない。……そんな調子です。『現代詩フォーラム』は非常に魅力ある場ですが、中毒性が強い場でもあります。なので私は意図的に距離を置き、壁を作ってる感じですね。それはそれで不自然なのだろうけれど、それぐらいの方が長続きするんじゃないかと思って。
 長続きさせるつもりなのかと言われるとまた困るんですけど。なんとなく会員に登録してみた、という始まり方だから。何をしてやろうとも思ってないんです。オフラインの活動に軸足を移してしまった自分は、数年前ほどこうしたサイトに没頭できなくなっている所もあるんでしょうね。
 うむ。駄文のくせにかしこまりよってからに。

 どうでもいいですが「かしこまる」って何かの名前みたいですね。「イカ釣り漁船・第三かしこ丸」。「松田家代々の家宝がひとつ、銘刀かしこ丸」。どっちも切れ味わるそうです。……え、ああ、船の切れ味って、そりゃこう波に対して、舵を切る……その……はい。
 あまり疑問に思わない、思っても追求しないのが家庭円満の秘訣です。もっとも、限度はありますけど。「美咲、どうして父さんの靴下にみかんの皮を入れるんだ」とか。そりゃあ追求したほうがいい。よくわからんがその場合は追求したほうがいい。
 というわけで美咲さんのお父さん。理由が判明したら若原にも教えてください。気になります。ちなみに美咲さんちは若原脳内市でモモカシー専門店を営んでおられます。美咲さんがももかしいかどうかはあえて伏せさせて頂きますが、奥さんは結構ももかしいですよ。

 とこんな具合で駄文はリサイクルがカヌーだったりします。もとい、可能だったりします。……ええと、あまりに出来すぎたタイプミスでいま素で驚いています。いよいよ私も手が勝手に駄文をつまびくようになりましたか。いやはや。「私も」ってところがよくわかりませんが、わかったところで教養の足しにはなりませんのでスルッとスルーするとするすると、ほーらお肌もつるつるに。
 そんなせっけんがあったら欲しいです。気持ちよさそう。

   *

 どうでもいいのですが最近キーボードを叩いていると、左手の手首がひきつることがあります。これを書いている現在も何度かありました。痛いわけではなく、単に手首に静電気が走ったような感じがするだけなのですが。なんでしょうね。血行が悪いのかな。そりゃ結構なことです。月光が悪いんですよ。結婚してしまえば健康になるかもしれません。こけこっこう。
 あ、べつに酔ってないです。ってそう言う人ほど酔ってるってのが酔っぱらいの定石なのですが、とりあえず私はいま飲んでないです。お子様はココアで充分です、はい。

 ……。嘘でも「酔っている」と酔いのせいにした方が私に対する信頼度は増したのかもしれません。まあ、いいんです。もともと私は頭のてっぺんからつま先まで怪しさ抜群なんですから。
 こないだもね、名古屋駅を歩いてたら男性から「お兄さん、仕事しないか?」と声をかけられました。どういう基準で私を選んだのか謎ですが、それ以上にどんな仕事を私にさせようとしていたのかが謎であり気になります。美咲さんのお父さん、ご存知でしたらその辺もお願いします。あて先は若原市長あてで。
posted by 若原光彦 at 23:23 | Comment(76) | TrackBack(0) | 超駄文

2006年02月01日

類語辞典を求めて

 そうそう、先日作詞をしていたとき猛烈に類語辞典を欲したのですが、私の持っている類語辞典は簡易的なものなので……「望み」を引いても「希望」「展望」「本望」「宿望」といった言葉しか載ってません。「望み」から「願い」「祈り」果てには「兆し」「予感」「不安」といった語まで見せてはくれない。単純な二字熟語しか載ってない……こんなんじゃ何の役にも立たん!!! これは本当に類語辞典なのか!!! 単なる漢字辞書じゃないか!!! サ──ギ──だあああああァ──ッ!!!

 で、怒りに眼を血走らせてネットで類語辞典を探したのですが──

シソーラス(類語)検索
http://www.gengokk.co.jp/thesaurus/

──有名なここしか出てこない……。ここは良いサイトなのですが、企業が「お試し版」に公開しているものということもあり、一度の使用回数に制限があったりします。「Ctrl+N」でブラウザウィンドウを複製できなかったり、いろいろと不満もあります。

『足りん足りん足りん足り──ん!!! 俺はまだ見ぬ類語を求めとうとよ! ぐおおおおおおお!!! 出てきやがれ類語辞典ン────!!!』。頭から湯気を立ち昇らせながら検索を続けたところ、ひょこっと。出てきました。あらっ。えっ。いつのまに──

Yahoo!辞書
http://dic.yahoo.co.jp/

──いつのまにYahoo!は類語辞典を。やるじゃないか。すごいじゃないか。ニッチじゃないか。目ざといじゃないか。目利きじゃないか。Yahoo!ブラボォ────!

   *

 で、とても嬉しかった、というだけの話なんですが。ひさびさにネット上のサービスで大感動しました、というだけのことなのですが。この話はもうちょっと続くのです。

 Yahoo!辞書の類語辞典を使ってみたのですが……私が持ってる類語辞典とどんぐりの背比べなんですよ。語のリンクを辿ってあれこれ調べられるのはいいけれど、「待つ」から「伸びる」を引き出してくれるような、意外な表現をカッと教えてくれるような、手触りの良さはない。自力であだこだ考えた上で、それを検索にかけて確かめる、そんな使い方しかない。相手はマシーンなので、人間的な部分は利用者が気を利かせて(というか気を回して巡らせて、てんてこ舞いして)用いないと使えない。便利だけど不便。迅速だけど遠回り。

 類語辞典を使うような人・場合って翻訳や詩作で「べぇええええつのひょおおおおげんなぁあああなあああああいいいぃぃぃいかああああああああ!!!」とかなりこん詰まっている状況だと思うんですけれど。そういう心理に対応した類語辞典ってないんですかね。辞典作ってる人はそういうことは考えないのかな。

 ……。自分で作ろうかしら。Wikiとか使えばやれるのかな……と、一瞬本気で思いましたが死ぬほど辛く長いことになると思うのでやめときます。でもまあ、詩なんか書くよりは意味のある仕事かもしんないですね、それって。世の中に役立つ(かもしれない)。
 そうだなあ。ある情景・行動に対して、関連性・類似性のある言葉をぽんぽん書き出して……。日ごろの気分転換にちまちまと作っていくなら面白いかもしれないなあ。頭の体操にもなりそうだし。適したCGIが見つかれば、やってみてもいいかな。

 たとえば「約束」を引くと「秘密」「思い出」「誓い」が出てくるような、気が利いたやつ。欲しいな……既にないのかしらん。

   *

 話は変わりますが、いまふと思ったのですが。どうでもいいんですが。
「てんてこ舞い」ってどんな踊りなんでしょうね。

 こう「てんてこ・てんてこ」と単調なリズムをバックにして、1拍(1てんてこ)の間に4〜8ステップをけたたましく踏むような感じでしょうか。
 いま私の脳裏には物凄い映像が浮かんでいるのですが、お伝えできないのが残念です。フーリガンも裸足で逃げ出す勢いです、てんてこダンサー。あっ、いま宙返りみたいなことしました。二の腕の脂肪が別の生き物みたいに揺れています。サルティンバンコも太鼓判です。

 あ、ただの駄文ですからお気になさらないように。沖に流されないように。茶目っ気という奴ですよ。魔女っ子ではありません。
posted by 若原光彦 at 01:34 | Comment(3) | TrackBack(0) | web

1月下旬どっこいさ

 1月中旬〜下旬は、猛烈な勢いで散文を書き、また猛烈な勢いで作詞をしていました。掘って掘ってひたすら掘る、ちょっと戻る、また掘る、というような。ぐるぐると同じ行為の繰り返しで、細部に延々とかかずらって、休止して冷静になって、エイヤッとまた燃えて……脳みそ混乱ぎみでした。
 作詞は、サウンドクリエイターhitoshiさんのイベント『MIX Senses Vol:2』への参加作品です。大変でした。何バージョンも、1行しか違わないような遅々とした推敲を重ねて完成させました。作詞って本当に難しい……この詳しい話はまたのちのち書くつもりです(いまイベントは「歌い手さんが、歌詞参加作品の中から、自分の良いと思った歌詞を選ぶ」段階なので、あれこれ書いて影響与えてしまうとしまうとよくないかなと思って。そうでもないのかな。とりあえず、のちのちにします)。

   *

 1月28日(土)『言葉ズーカVol.その3』があり、名古屋へ行きました。私は出演者であり、スタッフ補助の役割でもありました。
 上記リンクを覗いてもらうと出演者が載っていますが、この通り、ある種のひっちゃかめっちゃか感、収拾のつかなさが良し悪しで満ち満ちていました。『Vol.その2』では会場が静まり返り空気が張り詰めるシーンもあったのですが、今回はそういう方向に場が向かわなかった。
 オープンマイクはともかく、本編のプログラムは「パフォーマンス指向の人」と「ポエトリー・リーディングの人」とが交互になっていたので(これも良し悪しですが)めまぐるしい、予測のつかない、意図の読めない世界だったかもしれません。受け取り手によって評価が変わる可能性が高い状況。
 総合的にはパフォーマンスの印象が強烈で、パフォーマンス指向の強い非日常の世界になったかな。一般のお客さんにはちょっと辛い状況だったかもしれません。いや、一般とかどうとかは関係ないかな。単に人それぞれ、好みが分かれる状況だったかもしれません。会場『涅槃』の雰囲気にはとても合っていましたし『涅槃』じゃなきゃ形にならない一発でしたけれど。

 私は出演数分前まで、何を読むか、ぎりぎりまで悩みました。一般的な……笑える芝居じみたものをやって、お客さんを舞台に引き戻す「つかみ」になるべきなのかもしれない。でも浮き足立ったことをして、それがそのまま受け入れられるような状況でもない。場がおかしなダレかたをしている。ならばお客さんと張り合うタイプでバサッと緊迫感を出す方が正しいが、それは聞く方は辛いだろう……。
 結局は、2〜3年前の自由詩っぽい朗読作『オーヴァーヘッド』『ステイク』『ホーム&アウェイ』をやりました。頭と最後に即興でトークを交えて。トークも詩も、滑るか滑らないかそのギリギリのところだったと思う。でも通った。力技で押し通したんじゃないくて、ただスタスタと通り抜けた。状況的にまずいが、まずくない。押さなくても媚びなくても通れば通る。何か「憑いて」いた。
 妙な感覚でした。奈良ではアウェーを「押し通った」感じがありましたが、今回は……お客さんや場に合わせたといえば合わせたし、合わせなかったといえば合わせなかったし……。決まってたといえばそうなんだろうけど、足りなかったといえばそうでもあったかもしれない。「何とかなった」というのとも違って。「済んだ」という感じに近い。自分の出演部分は、妙な実感で終わりました。

 私のステージや状況の賛否はともかく、ひとつだけはっきりした問題としては……私語厳禁。『涅槃』さんは、ステージの裏がバーカウンターになってまして。そこにいてステージを見ずに飲んでてもOKなんですが、そちら側からの声はステージを抜けて客席に通ってしまう。ステージと無関係な笑い声とか轟いてしまう。集中力が全く作用しない。求心力が生まれない。
 次回3月11日(土)『Vol.その4』は私が司会になることが決まっています。……仕切るぞ。次は邪魔だったら出演者だろうとつまみ出すぞ。……というくらいの勢い気合いで司会せにゃな。うむ。……次回は『Vol.その2』に近い、しっとりした感じになりそうな予感もしてるんですけどね、甘い予測は通用せぬ。

 mixiのある場所に、今回の『言葉ズーカ』を見に来てくださった方からの詳しいレポートが載っていました。読んだのですが、本当に嬉しかった。率直とか正直とかそんなんじゃなく、まともに、まともなことが書かれていました。良し悪し両面が含まれていて、その人の実感に満ちていて。「嬉しい」なんて単純に思っちゃいけないのかもしれないけれど、とてもありがたいと感じています。

   *

『言葉ズーカ』の閉幕後は『涅槃』で飲みながら1時ぐらいまで人と話してました。話の内容はここには書けませぬ。まあ、あれだ、吉田戦車についてとか桂正和についてとか。革靴のかかとをつぶして履く若者が増えているらしい、とか。はい。
 その後はISAMUさんに教えてもらったネットカフェに行って、てっちゃんと夜明かししました。ブースが残ってないとのことで、2人で仲良くペアシート。……。ペアシート。ソファーが広い。
 てっちゃんが寝てる間、私はスティーヴン・キングの『小説作法』を読破しました。これは良い本です。創作の核心を突きに突きに突きまくっている。小説執筆についての本ですが、創作全般に教示とエネルギーを与えられる。スティーヴン・キングという名前からさまざまな先入観を持たれそうですが、文字が生き生きと躍る、それでいてとことん実践的な、豊かな本でした(このとき読んだ本は図書館で借りたものでしたが、後日本屋に注文しました。届いたらあらためて紹介を書こうかな)。

   *

 ネットカフェで夜は開け、ブースのテレビで『所さんの目がテン!』『遠くへ行きたい』を見て……1月29日(日)朝9時半。ネットカフェを退店しました。
 2人地下鉄駅への入口で『どうしたもんかなぁ』と立ち尽くしていたのですが、『まあ熱田には図書館も古本屋もあるから時間はつぶせるだろう』と、とりあえず『続・ぽえ茶』の行われる熱田に移動。てっちゃんとはそこでいったん別れました。
 で、私は……『短歌ヴァーサス』を読んでたかな。私は短歌を一気に読むと、短詩が良く浮かんできます。心がネタ探しモードに入るんでしょうね。図書館の外の灰皿で煙草を吸いながら思いついた短詩をいくつも書きとめてました。書きとめる矢先からまた次のネタが浮かんだりして。10個ぐらいメモしたかな。雲ひとつなくよく晴れた、暖かい、豊かな日でした。ぼーっとしててもいいし、セカセカ本を読んでてもいい。うん。

 あと、熱田の古本屋では、ボブ・グリーンの『十七歳 1964春』と、なだいなだの『れとると』を見つけて狂喜乱舞しました。♪探しものは何ですか〜♪古本屋ワゴンセールで50円ですか〜♪そんなことってあっていいんですか〜♪
 このとき買った『れとると』はもうすぐ読み終わるところです。この日、図書館でも帰りの電車でも熱中して読み進みまして。やっぱり肌に合うんですよね、なだいなだ。
 いろんな本を読みますけれど、やはり肌に合うものを読んでいる時がいちばん楽しいです。読むスピードも速まるし、内容も無理なく伝わってくるし。読書が心地よい。

   *

 15時からのオープンマイク『続・ぽえ茶』は賑やかでした。ひさびさに仲仲治さんにもお会いして。絵本を朗読したり、歌を歌う人もいたり。はらだよしひろさんは即興に挑戦したり。
 すっかり『続・ぽえ茶』恒例となった宿題(3つの言葉を盛り込んだ作品を作ってきて読む)ですが、今回みんな面白かったです。この日のお題は「みかん」「五十八年ぶり」「凍結」の3つ。堀場さんは「凍結みかん食べくらべ大会」の模様というおかしな話。コウさんは日中関係についての自分の考えも含めた真面目な詩。水尾さんは「大家のおばあさんを預かった」という冗談まじりの物語。それぞれお題を絡めながら、深かったり馬鹿馬鹿しかったり。『みんな、やるなっ』って感じでした。あの場限りの面白さだったかもしれないけど、面白かったことにかわりはないです。

 恒例、うどん屋さん『めん串』での二次会のあと、何人かは新年会のカラオケに向かい、私と林本さんは星が丘へ向かいました。星が丘の『スロー・ブルース』というジャズバー(なのかな。たぶん)に夏撃波さんが出演されまして。お邪魔しました。アットホームな雰囲気で、居心地が良かったです。
 天井が低くてね、集中力が働きやすいというか、演者が映えやすい空間でもありました。お客さんとステージの距離も近くて。それがぬるさでもあり、暖かさでもありました。心地よかった。

   *

 22時半ごろ『スロー・ブルース』を出て、地下鉄とJRで家に帰りました。さすがにここまでくると眠気も吹っ飛んでいたのですが、ちゃんと寝ました。読書熱がムラムラッとまた起こっていたしファミレスで夜明かしでも……とも思ったんですけれど。そこまでつとめて不養生せんでもねえ。そこはおとなしく寝ました。
 そして翌日(30日)・翌々日(31日)。『MIX Senses Vol:2』の参加歌詞作品公開。mixiでの『言葉ズーカ』レポート拝読。某氏から『ええっ! そんなことが名古屋で?!』という電話。奇跡の入手・なだいなだ初期の作品『れとると』読書進行中。

 嬉しいことと恐縮することと頭かかえることと面白いことと、いろんなことがドバッと一度に降りかかってきた1月末でした。疲れたというより……エネルギーを取り戻したような感じがしています。こう、わわわわーっとルツボに飲まれて、自分の思考がサバイバルに研ぎ澄まされたような。非日常をくぐり抜けてきて、生活の体感速度が加速したような。
 ああ、単純に「気力が沸いてきた」って言えばいいのか。あはは……。そんな感じです。

 昨年12月は『新年になったら楽になるだろう』と思っていましたが、実際に1月になってもさほどのんびりとはならなかった。1月中旬には『2月になったら楽になるだろう』と思ってたんですが、どうやらそれもなさそうです。まあ、このままドタバタと梅雨ぐらいまで過ぎていくのかな。なんだかんだと。
posted by 若原光彦 at 01:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 近況