2006年03月21日

喫茶『Jaaja』営業中

 15日(水)、Jaajaさん(長谷川雄一さん(ゆうにゃん)のユニット)が喫茶店をオープンされました。私は19日(日)『続・ぽえ茶』の前にお邪魔させてもらいました。
 照明の傘がブリキのラッパだったり、壁に木琴がくくりつけてあったり、こじんまりとしてますが温かみのある空間です。WEBで読んで自分たちで内装などされたとは知っていましたが、床がなんだか使い込まれた感じで、うまく汚れてました。白くまぶしい明るい印象と、木や鉄の人間らしい感じと、うま〜く組み合わさってます。あと、ゆうにゃん・くみさんのお人柄もね。

 名古屋の「覚王山(かくおうざん・かこうざん)」という場所です。お寺への参道に、お茶の専門店があったり炭の専門店があったり輸入雑貨屋があったりギャラリーがあったり……定食屋があったり。温かいんだけど、道幅が広くてすっきりともしてる、落ち着いた、おしゃれな町です。作って狙ったおしゃれさじゃなくて、古い家並みが地に足が着いている、生活感のある、ホッとするとこです。それでいて都会でもある。
 なんていうのかな。映画の舞台になりそうな。少年探偵団とか居そうな。……。いまどこかの地名でたとえられないかと考えてみたんですが、例えようがないなぁ。ほかに見たことないです、覚王山は覚王山だなぁ。

『喫茶ジャージャ』

【住所】
TEL 052-764-7423 〒464-0841
愛知県名古屋市千種区覚王山通9-14ことひらビル1C
GoogleローカルYahoo!地図情報
*地下鉄東山線「覚王山」駅1番出口より徒歩1分。「東京三菱UFJ銀行」東隣

【サイト】
oui,oui!jaaja ウィ、ウィ!ジャージャ
http://www.jaaja.jp/

【営業時間】
12:00〜23:00(月曜12:00〜18:00,火曜定休)


 住所を調べたら、あらっ。中川たかこさん(タカペイさん)の絵本教室もこのビルに移転しはったみたい。つくづく覚王山っておもしろい町だねぇ。都会でスローライフするんだったら、ああいう近所に住みたいな。

 Jaajaさんは本がめさめさ面白いですよ。サイトの「Memo」コーナーで内容がかいま見えます。立ち読みしに行くだけでも有意義な休日になるんじゃないかな。コーヒー、おいしかったです。濃いめのコーヒーって好きだな。砂糖もね、ガムシロップとかスティックシュガーとかじゃなくて、ちゃんと挽かれた砂糖でした。こういうことをひとつひとつ決めていくのって楽しいだろうな。食器を決めたりとか。
 店内には、Jaajaのおふたりがあちこちで買い求めてきたものなのかな、トルコ(かな。忘れてしまった)のパズルとか、小粋なものがひと品だけ売られてたり。ひとつひとつ選んで決めて作って……いいな。そういう場所に居るってこともいい。

 サイトでメニューを見ていま知ったのですが、カウンターで立ち飲みだと40〜200円安いんですね(19日、私は何も知らんとカウンターに行ってました)。面白いこと考えはるなあ……。ふと昭和の定食屋を連想してしまいました。貧乏学生の友! なんて。
 なお、林本さんによると「トイレがたのしい」そうです。話に聞くだけではどこがどう楽しいのかよくわからなかったので、また立ち寄るつもりです。
posted by 若原光彦 at 04:49 | Comment(10) | TrackBack(0) | みんなのイベント情報

3月8日〜19日

 今日、えいやっと部屋をすこし片付けました。すると古本屋で買って未読の本がぽろぽろ出てきてしまいました。スペースを作って、そこに未読の本ばかり集めてみたんですが……約50冊。あ、アホなっ。自分で自分にあきれます。1冊100円としても、ちょっとこれは行き過ぎではないのか。2日で1冊読破しても夏までかかるぞ。
 しばらく本は買わないことにします……。その50冊はもちろん自分が読みたくて買った本なので、ちょっとずつ消化していくつもりです。読みたいものはちゃんと読もうと。なんやら義務なのか自由なのかわからん状況ではありますけど。飽読の時代。

 話は変わりますが、最近私はPCの壁紙をこれ(PNG、4.61KB)にしています。自作です。なんだかこれぐらいの方がすっきりしていいなって。私はデスクトップに優先作業ファイルのショートカットを並べている人なので、壁紙は地味であればあるほどショートカットが目立っていいんです。へたな色気とかもない方が、PCが「ただの道具」らしくなってまたよろしい。
 あ、予断ですがWindowsXPの方はStatic_Flowerさんの『Windows XP 補完用アイコン』がクールで便利ですよ。私はPNGアイコンしか使ってないけれど。きれい。デフォルトのものとよく合います。

   *

 8日(水)は自分のオープンマイク『詩のあるからだ』、翌9日(木)は昼からclubBLさんで『39@rt』でした。

 オープンマイクは盛況でした、いろんな方がいらっしゃって。会場POPCORNさんの普通のお客さんも、前半全部(1時間強ぐらいかな)たっぷり聞いていってくださったし。後半のスラムでは投票に参加してくれた人もいたし。拍手も素直に大きかったです。よかった……。私自身も、やってて楽しかった。ありがとうございました。

 翌日の『39@rt』は、不思議な平和さでした。昼間のBLさんに行ったのは初めてでしたが、ひどく明るくて驚きました。いつもはステージの後ろに白いスクリーンが張られていたのですが、この日はそれがありませんでした。そして窓がある。わあ、ここってこんな大きな窓があるところだったんだ。明るい。そういえばここってビルの7階だったっけ。いつも夜にしか来ないので、明るさに驚きました。
 室内のあちこちでは生け花・絵画・イラストなどが行われていました。私も何かしようかと思ったんだけど、絵を描こうとしてもうまくいかなかった。前日に(特集が面白そうで)買った『現代詩手帳』を読んでても……なんかインテリぶっててイカンような気もするし。絵画が出来上がっていく様子を見ながら、のんびり放心してました。その絵は、ちょっと私が外に出て戻ると完成してました。ぐああー。あの広い空の部分にどんな雲がどんな風に追加されていくか見たかったのにー。失態です。
 夜になってからアニメーションの上映があり、ライブパフォーマンスも行われました。アニメーション面白かったです。ネタ一発みたいなものもあれば、コントみたいなものもあれば、メルヘンチックなものもあれば、ドラマチックなものもある。
 会場では『終わりの世界』という作品が人気でした。主人公が地面の穴に棒を刺すと、地面から棒がつぎつぎに生えてきて塔が建つ。主人公は塔のてっぺんから飛び降りる。すると地面に激突せず、地面の中の海(?)に入る。そのまま海の鯨に飲み込まれる……と、先の読めないシュールな世界がどんどん刻々と続いていく。最後は失くした帽子が風に乗って戻ってくる。……うまく説明できないな。
 アニメーションは、テクノっぽいBGMが付けられていたものが多かったです。音と映像のタイミングがビシッと合っててね、どれもおもしろかった。

 数日して11日(土)。この日は『言葉ズーカVol.その4』でした。時間がだいぶ押してしまったんだけど、30数名のお客さんがいらしてくださって。賑やかでしたし場も明るかった。私は出演者・スタッフだったからほとんど客席から見れていないのですが「面白かった」「休止ざんねん」との声が多かったみたいです。
 オープンマイク、自分が司会だったんですがエントリーされた方が少なくて、ISAMUさんと一緒にお客さんを指名していくみたいな状況になってしまって申し訳なかったんですけれど。……私もISAMUさんも、何か『この人は何かだ!』という方にリクエストを振ったんです。そして求められた方が実際に面白かった。ハーモニカ演奏1名と舞踏2名のパフォーマンス凄かったし(即興でユニゾンできるものなんだ……)、通学途中の犬について話してくれたコウさんも、私のリクエストでカメラについて語ってくれたHさんも面白かった。緊張したでしょうが、やってみると面白いし届くんですよね。だれでも何か言えることはあって。
 二足歩行クララさん、竹本サオリさんにもお世話になりました。いろいろ気を使って頂いて。みなさんありがとうございました。やっぱりいち観客としても見てみたかったなあ。

   *

 それからしばらくして、昨日19日(日)。また名古屋に行ってきました。
 まず名古屋駅のビル。以前、桑原滝弥さん・馬野幹さん・谷川俊太郎さんが雑誌で対談されたそうで、その雑誌『Midnight Press』を購入しました。
 地下鉄構内へ向かう途中にある煙草の自販機にも寄りました。都会の自販機には珍しく、ここには『CHERRY』も『echo』も入ってるんです。でもこの日は『GOLDEN BAT』を3つ買いました。安かったし、手持ちの小銭がちょうど使いきれる額だったから。130円だったかな。私はそれほど煙草の銘柄にこだわらないんです。『好みのものが吸えれば嬉しいけど、今日はべつに煙草であればなんでもいいや』と考えることがよくあります。

 その後、覚王山へ向かいました。15日にjaajaさんが覚王山に喫茶店を開店されたんです。開店祝いを用意してくるのを忘れたため『Midnight Press』を進呈しました。ゆーにゃんさんが出てた『俊読』についても触れられてまして。
 風の強い日でした。工事現場にある赤色のコーンが倒れて、車道にずりずりと滑っていました。拾って工事現場に戻しておきました。

 次に、手放した『Midnight Press』を自分用にまた買うため……今度は千種で下車し『ちくさ正文館』へ行きました。『Midnight Press』に加え、ひどく面白くかつ読みやすそうな「詩の森文庫」の谷川俊太郎著『詩を書く なぜ私は詩を作るか』も購入。ああ、また本が増えてしまった……。

 満足感と読書責務との間でモヤモヤしつつ、熱田に移動。オープンマイク『続・ぽえ茶』へ入りました。
 会場CoffeeToshiさんの向かいにあるビルに「奇神建設株式会社・名古屋支店」とあり、私は『すごい名前だ。バベルの塔とか作ってそうだ。いや、バブルの塔かもしれん』なんてくだらんこと言ってた気がします(コウさんに「“寄”かもしれない」と言われたんですが、あれはどう見ても“奇”でした。でもいま調べたら『“寄”神建設』でした。なんということだ)。
 この日、ISAMUさんが「あなたの夢は?」といった作品を読まれていました。8日(木)の『詩のあるからだ』で雑談し、触りだけ伺っていたのですが、これはよかった。詩的だし願いもこもっているしISAMUさんのキャラでもあるし、よいテキストだと思います。
 この日は宮島さんの娘さんと、お友達も朗読されました。若々しかったです。ひさびさに正木(まさき)さんもいらっしゃいました。『星』の詩が面白く印象に残りました。「にぼしのこと?」「ちがうよ」「捜査対象のこと?」「ちがうよ」と話が続いていく内容で最後に「目を閉じてごらん」「ああ、ホシって私のことだったんだ」ときれいに終わる……。最後まで星がチラつき、見えて、見えない。面白かったです。
 岡本はなびーるさんは、いつのまにか「岡本はな」に改名されてました。はなちゃん、はなちゃん、って呼ばれてはって。ほんのちょっとうらやましかったです。なお、林本議長により5年間は「はなびーる」さんと呼んでしまっても逮捕されないことに決まりました。私はすでに1回「はなびーるさん」とつい言ってしまったので、当局からマークされています。ぎゃわー。

 古村てっちゃんが何故か『ブラックストーン・チェリー』を吸っていたので『GOLDEN BAT』と1本交換してもらいました。
 『ブラックストーン』というのは、海外製のめちゃめちゃ甘口の煙草です。巻紙に細工があるのか、火を点けずに咥えているだけでも甘みがします。開封して置いておくと、周辺の本やら鉛筆やらに甘い匂いが伝染する。空き箱だけでも、放置しておくと周辺の小物が甘い匂いを帯び始める。『これ作ってる工場は殺人的に甘い匂いで満ち満ちてるんだろうな』と悟らされる、かなり個性的な煙草です。
 聞けば、てっちゃんは煙草が切れたのでなんとなくこれを買ってしまったそうな。……たしかに、煙草が切れた時ほど妙な銘柄に手を出しちゃったりするよな。身に覚えがあるので笑えません。私も安いからというだけで『GOLDEN BAT』吸ってましたしね。
 1本だけ交換してもらいましたが、『ブラックストーン』と『GOLDEN BAT』では1本あたりの単価が2〜3倍ぐらい違います。……悪いことしたかな。でもないかな。もらった1本はおいしかったです(煙草に「おいしい」という表現を使うのもおかしい気がするけれど)。

   *

 17時半ごろかな、『続・ぽえ茶』が解散し、宮島さん・林本さん・私の3人は「藤が丘」に向かいました。オープンマイク『ち〜OneRing』があったんです(主催はちどりさん)。
 音楽も演劇もコントもありの場で、ポエトリー・リーディングの世界に由来しているわけではないので「オープンマイク」という名称は冠していませんが、基本的なシステムは同じです。エントリーして、誰でも出演できる。名古屋の他のオープンマイクと違うのは、いち出演セッティング込みで15分と、持ち時間がライブ出演並みの長さであること。音楽から演劇から、いろんな方が集まっているのでほんとにライブみたいです。音楽だけでも、ボサノバ、ブルース、ロック、テクノポップまで。平林さんのように、台詞をググッと聞かせる歌もあります。濃密でハイレベルです。
 あと、会場がしっかりしています。音響機材が充実しており、会の進行もスムーズです。セッティング中には場が沈黙してしまわないようBGMを流し続けてくれてたり、2階席もあったり……飲食店でのオープンマイクとは一段違う、丁寧な作りに感激しました(でも千鳥さんに『勉強になりました!』と言ったら「楽しむ場だよ」と軽くいなされました(笑)。うは、そうだよな)。笑いあり、音楽あり、言葉あり。楽しかったです。

 出演できるのは8組までで、最初にくじを引きます。私は6番でした。会場でぐうぜんお会いした平林さんは1番。林本さんは10番で、正式なイベント枠ではなく「おまけ」枠での出場でした。
 サブリミナルリミットさん(モリカワさん)の即興ビーロー活劇も面白かったし、平林さんの「背中に蝶が……」と続く物語もカッコよかったです。個人的には、おまけ枠で出演されたチャーリーさんがすごく良かった。ギター演奏に乗せ「いつか、行けるのかヘブン」「俺も行けるのかヘブン」と何度もリフレインしていく歌でした。悲しげなんだけどポッと暖かく、やさしい。声が渋くてキマっていて、言葉がズドンズドンと胸に刺さる。聞きごたえがありました。もうひとつの「ダーリン」がリフレインする曲もとても良かった。僭越ですが、ひさびさに『この人をもっといろんな人に見せたい!』と思いました。

 詩のオープンマイクよりハイレベルな場なのは確かですが、実際はそのレベルに気おされたり、恐縮したり、緊張したりする必要のない、にぎやかで和気あいあいとした場でした。誰のやることもそれぞれどこかが光ってる。馴れ合いにならず、でもビシバシともしておらず。場のレベルに合ったポテンシャルの人々が集まっている。……素敵なところです。いいもの開いてはるなあ……。
 充実した夜でした。閉会したのは22時10分ごろだったかな。長い一日でしたが、あっというまでした。

 帰り道、この日は風が強かったため、あちこちの看板・のぼりがバタバタ倒れてました。土台がコンクリート塊だった駐輪禁止の立て札まで横倒しになっていました。『危ないな、直撃したら脳天を割られてしまう』と思いましたが、ちょっと杞憂かな、それは。
 ああ、そういえば藤が丘へ向かうとき、地下鉄の座席がすいていたのでふと『ここに麻雀牌として人を座らせて、二人打ち麻雀やったら面白いかもしれないね。人間麻雀』とぼやいてみたのですが『あ、駄目だ。牌1種につき4人要るから、ものすごい人数が必要になってしまう』というわけで却下でした。たまに変なこと思いつくな、私は。

   *

 林本さん・宮島さんと別れ、私は千種で地下鉄を下車、JRに乗り換えて金山で下車。岐阜・大垣行きの電車に乗り換えて帰宅……するつもりだったのですが、あれ? 中央改札の掲示板を見て慌てました。『現在時刻が23時ちょいで、次の電車が40分ごろ……なぬ?! あと40分も待たねばならんのか!』。
 もういちど電光掲示板をよく見ると、次の電車は「23時40分」ではなく「22時40分」でした。現在時刻は「23時ちょっと」。『……??? 次の電車は過去の列車?』。とりあえずホームに行くと、そこの電光掲示板には「死傷事故が起こったため運行が遅れている」との表示が出ていました。なるほど……。数分すると「○○駅構内で人身事故が起こったため、16分ほど列車の運行が遅れております」と同様のアナウンスも流れました。『ああ、なんだか都会に来ている気がする』とドライな感傷がしました。

   *

 しばらくして電車が来たのでそれに乗って……。地元の駅で下車してから、今度はファミレスに入りました。『読む本があるし、MP3プレーヤーにはNHKのラジオドラマ『FMシアター』が入っているし。稿を練るものもあるし。今日おもいついた詩の断片もあるし。よおし、ひさびさに今夜はファミレス徹夜だ!』。暴挙です。
 ドリンクバーを頼んで居座り、店内でずっと稿の推敲をしていました。『ここが違う!』『ここはもうちょっと最適化できるのでは』など、見れば見るほど文章のアラが見つかって。原稿のプリントアウトが傍線だらけ、メモだらけになりました。結局、読書もラジオドラマも消化しないままです。

 店内では、何度か飲みものを補充するため、グラスを持ってドリンクバーへ立ちました。……と、何度目かのとき。別のお客さんが、ドリンクバーからスープを汲んでいきました。『あれっ、スープなんてあったんだ。お腹ががすいてきたし私も貰おう』。私も1杯汲んで、席に戻ってひとくち飲みました。何のスープかはわからなかったんですが、熱くてしょっぱくて美味しかった。『でもちょっと熱すぎるから、しばらく置いて数分後に飲もう』とカップを置きパッと顔を上げ前を見ると。ドリンクバー、スープコーナーの上に「セット・単品をご注文の方」と但し書きがありました。ぎゃあっ。私はドリンクバーしか頼んでないっ。
 しょうがないので「サラダ・スープセット(270円ぐらい)」を追加注文しようかと店員さんを呼び『スープ間違って取ってしまいました』と事情を話しました。店員さんがにこやかに「ではそちらのスープはサービスです」と許して下さったので、ホッとしました。すみません、すみません。270円ばかしケチるような客ですみません。
 で、また推敲を続けて……朝5時閉店で家へ帰りました。

   *

 それから炊飯して睡眠して掃除して料理して、なんだかんだして現在です。ちょっと読書熱・創作熱が再燃しきてきいます。この勢いをたもって行きたいところです。

 ちょっといま、自分のリーディングについて思っていることがあります。『ち〜OneRing』での林本さんのすさまじさ、『Midnight Press』の対談と、考えさせられたことがあって。このことは後日(『言葉ズーカ』『ち〜OneRing』等での、若原リーディングの自己評価も含めて)書くつもりです。

 ああ、忘れてた。『喫茶マウンテン』登山計画も練らんといかんな(先月てっちゃんと行った偵察の模様はこちら)。
 現状の計画をご報告しますと、開催は『続・ぽえ茶』と日をあわせ「12:00集合 → マウンテン重食 → 15:00続・ぽえ茶」と1日でまとめられるように考えてます。参加費は「(注文したお料理−若原おごり)÷参加人数」で、ひとり500円〜1000円ぐらいになる予定です。『マウンテン』から『続・ぽえ茶』への移動運賃は別途各自でお願いします。
 4月に開催して「マウンテン重食 → ぽえ茶 → ち〜One」となると倒れる人が(冗談でも過言でもなく)出そうなので、とりあえず4月開催は延期です。とはいえ、いつまでも保留にもしておけないので5月開催で決めてしまおうかな……。知人に相談し、決定したら正式に告知します。ってそんな大げさなプロジェクトじゃないんだけど。
posted by 若原光彦 at 04:47 | Comment(3) | TrackBack(0) | 近況

04-13(木)『言葉ズーカ増刊号』

 先日3月11日(土)、賑やかに休止に入った『言葉ズーカ』ですが、ご縁がありヘルプがあり、増刊号が発射されることになりました。いやはや、未来ってのはどうなるかわからんもんです。根無し草の草の根を甘く見ちゃあいけません。
 増刊号は、引き続きISAMUさんの企画・プロデュースです。女性を中心に出演者が揃っています。

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posted by 若原光彦 at 02:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | みんなのイベント情報

2006年03月05日

『39@rt』プレゼント

 こんなものを作っていました。自分の『いのり履歴』をボトルにパッケージしたものです。1品のみの限定品です。
 みためはシンプルです。手のひらよりちょっと大きいぐらいの容器に、細い紙がたくさん入っているだけ。紙には短文が印刷されており、重なり合った紙の隙間から「あなたが〜でありますように」といった意味深な言葉がちらほら見えている。なぞの物体です。おみくじではありません、詩集や格言集でもありません。かつ、そのどれでもあり得ます。でも狙いとしては……これ、シールです。

   *

 これを作るにあたって、私はまず空のボトルと耐水シール光沢紙を購入しました。その際、紙はともかく、容器が難題でした。自分がイメージするような大きさ、形、透明感のものが見つからなかったんです。ガラス壜はカッコいいけど、重いし大きすぎる。ピルケースや小物入れだと、紙同士が重なって見えないし、手元に置きたい感じがしない。もっとこう「置けばクールなオブジェになり、手に取れば無宗教のおみくじになり、ふたを開けば小詩集として読めて、持ち歩けばオモチャになる」という千変万化の器が必要だったんです。威圧感や演出のまったくない、とことん無色無属性の入れ物が。
 結局、このちょうどいいボトルが見つかって万々歳となったんですけど(イメージが壊れるので何の容器かは秘密です。変なものではないですよ、ちゃんと新品で買ったものです)。……苦労しました。実体のあるアート作品なんて作ったの何年ぶりだろう。イメージする完成図を実物で再現するのって、思っていた以上に大変でした。『紙はプリンターで刷ればすぐだし、容器も100円ショップで簡単に手に入るだろう。2時間たたずに完成できるだろう』、そんな目算は誤りでした。アート作品って大変だ。見えない部分で手間がかかります。
 でも、あきらめずに容器を探してよかったです。満足いくものができました。

 ボトルと紙を買って帰り、プリンタでシール紙に文を刷って……ここからがまたちょっと手間でしたけど。プリントアウトした紙を小さな227の断片に切り分けなきゃならない。1つ切るのに5秒とすると、1分で12片、1時間で720片。『おお、余裕だ』……って、もちろんそんなロボットみたいにコンスタントにいく訳がなく。1時間かかってやっと半分……終わらない。とても2時間じゃ終わらない。
 買い出しを別にして、結局4時間ぐらいかかりました、これ作るのに。

   *

 これ、いったい何なのかというと。シールです。『いのり履歴』のフレーズが印刷された、線状の小さなシールです。
 「それはもう聞いたよ。なんに使うのよ、それ」ってごもっともです。でもね、これはただの紙じゃないんです、シールです。ですから貼ればよろしい。ぺたぺたと。200以上も入ってるんだから、ちょっとぐらい使ってもすぐには尽きません(ただし1フレーズは1個しか入っていないので、あらかじめ全フレーズを調べ残したいものは確保しておく必要があります……って、そんな細かいこと気にせずバンバン使ってほしいかなぁ)。
 「ちょっとちょっと。『いのり』フレーズのシールなんて誰がどこに貼るのよ。手帳に貼ってもなんか変でしょう」。そうです。無表情でちょっと不気味なセリフばかりだから、自分の手元に貼ってもあまりメリットはありません。むしろ害があるかもしれない。

 『いのり履歴』のフレーズは、紺色の文字で印刷しました。が、このボトルには赤色の文字のシールも混ざっています。赤色のは「取扱説明書」です。1番から20番までの説明書きがこのボトルには混ざってます。手に取った人が「ん? 赤いのがある。番号がついてる。なんだろう……」と思ったら、ボトルを開けて、全部のシールを検分し、取扱説明書を揃えないといけないわけです。踏み込まないと謎は解けないけど、踏み込めば用意された答は見つかる。
 取扱説明書には、こんなことを書いておきました──

(1)赤字は取扱説明書です
(2)これはシールになってます
(3)いちおう耐水です たぶん濡れてもにじまない
(5)標識を見つけたらこそっと貼ってみましょう
(6)さみしげなベンチを見つけたら貼ってみましょう
(7)他人の背中に貼ってみましょう
(11)意味を聞かれてもしらんぷりしましょう
(12)古本屋に売る本に貼りましょう
(18)飲食店でテーブルの裏に貼ってみましょう

──そういう使い道を想定したものなんです、これは。誰も気づかないところに、そっといのりの言葉を貼りつけてニンマリと愉快な気持ちになれるツール。罪はない。意味もない。ただ、何かさいわいな気分になってもらえたら嬉しい。ためしに1個どこかに貼って帰ってくればわかります。見慣れた風景がいつになく鮮やかにドキドキして見えてくるはずです。
 くだらないと言えばくだらないけど……かさばるものでもないからゴミにはならない。手元に置いておけば、いずれ使う機会が来そう。でも使ってしまうのはもったいない気もする。と……。

 そんな微妙なものを作ってみました。使い捨てであり、永久保存版であり、ちょっとした発明品で体験型アートで小詩集でオモチャです。これが誰の手に渡るのかはわかりませんが、もらった人が帰り道で紛失したとしても、私は残念に思いません。それもひとつの使い方だという気がします。そういうものです。

   *

 なんでこんなものを作ったのかと言うと。私は来週9日(木)、名古屋「東山公園」駅そばの『clubBL』さんで『39@rt(サンキューアート)』というイベントに出演するんです。
 そのイベントではお客さんにクッキーがふるまわれるのですが、そのクッキーはクジ入りになっており、当たりが出ると出演者から作品がプレゼントされます。……このボトルはそのプレゼント用の作品です。イベントまで日がない中で慌てて作ったものですが、ほれぼれするほどスクッと綺麗に出来上がりました。
 ま、『完成したてほやほやだからか……ちょっと自画自賛が過ぎてるかな』という気もしてますけど。小粒でおもしろいものが出来たと思います。悪くない。

 ひとつだけ難点を挙げるとすれば「1片が小さいのでシールの裏の紙が剥がしにくい」ってことでしょうか。これは完成してから気づきました。手先の器用な人に渡ってくれるといいんかなあ。人を選ばないものを作ったつもりだったんだけどなあ。
posted by 若原光彦 at 02:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | アート

多分野コラボ『MixSenses』参加中

 以前「1月にしてた作詞作業について、のちのちまとめる」と書きましたが、作業解説は、やめにしました。たしかに作業進行とともにいろんな発見があったんですが、今回私が参加した『MixSenses Vol:2』は「いろんな人がセンスをMIXして作品を作る、それを楽しむ」のが目的だから。『若原のつたない作詞論は蛇足でしかない気がする。小難しいこと言うより、楽しんだほうがいいやんね』って思うようになって。

   *

 『MixSenses Vol:2』は現在、16歌詞に34の歌がつき、hitoshiさんの審査を経て12曲が公開されたところです。今は曲からイメージしたイラストが募集されています。そのイラストから最後にFLASHが募集されます。つまりね……「hitoshiさんの曲+渾身の歌詞+渾身の歌+渾身のイラスト+渾身のFLASH=すごいエネルギー」というわけです。
 と、おおきな言葉ばかり並べてしまうとなんだか違ってくるんだけど。表面上はまったり集まりつつ、でも水面下ではみなさん意気込みが半端じゃない。活気にあふれてます。

 イベント主催者hitoshiさんのサイトはこちら(プロのサウンドクリエーターさんです)。

Senses Circuit
イベント宣伝用バナー(直リンク)
http://www.senses-circuit.com


 私の歌詞、ひとり歌ってくださった方がいました。その「曲+歌詞+歌」は現在イベント楽曲のひとつとして公開されています。……感動しました。私は課題曲『木漏れ陽』を聞いて「明るく冒険的な勢いがある、でもちょっと涼しく寂しげな思いもする」と感じたので、詞で「希望と懐古が入り混じった気持ち」を表してみたんです。
 そしたら、歌を付けてくださった方が。すごい。曲と詞に含まれる、陰と陽・温かさと涼しさ・大人っぽさと幼さ、全て出してくれている。すごい。歌が公開されるまでは『だれかひとりでも歌ってくれてたらいいな』ぐらいに思ってたんですが、結果は期待を遥かに超えるものでした。うれしいですとても。いろんな人が、それぞれのセンスを奮って、さらにどんどん重なっていって、増幅されていって……ううむ、すごい。びっくりする。

 先にも書きましたが、イベントは現在、曲が完成し、絵の参加者が募集開始されたところです。まずは完成した12曲を聞いてみてください。どれも同じ曲なのに、歌詞と歌い方がぜんぜん違うんです。おもしろいです。
 絵の参加、ぜひ挑戦してもらいたいな。自分が関わったものがどんな方向に進んでいくのか見守るのは楽しいですよ。ドキドキもするし、うれしさもある。全力を出す価値があります。

 ま、そんな気ばらんでも大丈夫なんですけどね。そうそうある機会ではないから、迷うより飛び込んでみるのが正解だと思います。
posted by 若原光彦 at 01:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽