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先日こんな言葉を知りました。
goo辞書 国語辞典 いりほが
いりほが。意味は「趣向を凝らしすぎていやみになること」だそうです。なるほど。詩作をしていると良く感じることです。状況設定を生かすネタを思いついても、その全てのネタを作品内に投入することはできない。そんなことをしたら栄養多加で大披露でごうまんちきで郷ひろみです。ジャパーン。
というように。思いついたことを考えなしに出すことは、適正なこととは限らないのです。技術的・発想的にすごいことと、作品世界が調和し完成することは全く別です。興に乗って「郷ひろみ」などとダジャレてはいけないってことです。ましてや「ジャパーン」などとは。軽率はなはだしい。天帝はお怒りだ。
でもね。ある作品で入れられなかったネタ・趣向、ある場面で口にできなかったジャパーンは、別の場面や作品で使うことができるんです。思いついたことは無駄ではない。メモを残し、再利用できる日を待って、その時まで大切に温めておけばよいのです。
しかし、夜ひとり帰り道、民家の塀に向かってジャパーンと呟いてみても虚しいだけだったりします。やはり思いついたことはその場その時すかさず言うべきなのかもしれません。思いついたその時が常にグッドタイミング。ビジネスはスピードです。下着売り場で「コマネチ!」とか叫びたくなったら即座に叫ぶがよいと思います。私は他人のふりをしますが。ジャパーン。
ましてやそれが、なるほどなあ、とか、不思議な響きだなあ、とか、興味をそそる内容であればなおさらのこと。
「いりほが」はジャパーンとともにしっかりと脳に刻まれました。
音がかわいい。おもしろいけれどあなどれない言葉だなあと感じます。