2004年11月10日

大阪へ行ってきました(中編)


『cocoroom』さんでは、ボランティアスタッフさんがチラシを折っていました。飯島さん・ミキサーさんにご挨拶。小笠原淳さん、江藤莅夏さん西島さんもいらして。江藤さんたちはプロジェクターを組み、入念なセッティング調整をされてました。

 順にリハーサルが進み、私は持参したCDをミキサーさんに渡し「これをジングルとして使いたい、詩の前後で20秒ほど鳴らしてほしい」と説明、実際に試しました。あとは……開演まで、煙草を吸ったり本を読んだり。トークの口馴らし&テンション調整のため、『cocoroom』を出て外でひとりぶつぶつと呟いてみたり。

 関係ないんですが。その時『フェスティバルゲート』の4階で、こんなプレートを見つけました。……どういうことなんだろう。たしかにこのポイントからは、下にはメリーゴーランドが、上にはビルの峰が見えて絵になる風景ではあったんですけれど。フジカラーってどういうことだろう。

   *

 オープンマイク、3名の朗読が終わり、次が私の番。先鋒、一番手でした。詩と超駄文トークを交互にやっていきました。

 新作『はだかが走る』『ほめられにきました』を読みました。自信作から『右に曲がって』『とてもかわいい女の子になりたい』も読みました。トークの流れで(最近あまりやらない)定型の『ゲルニカを書きながら』、内容的に微妙な『カブト焼き』も出しました。

 で。笑いが取れたのはトークでの「最初の頃の自作なんて思い出したくも無い。そんなの死後に発見されでもしたら……俺は2回死にたい」という点でだけでした。詩のあとの拍手も最初の2回ぐらいまでだったな。盛り上げられなかった。詩人が妙なことを言ってなんか変な人だ……を見せた、という感じ。笑いや楽しさ、充実感は作れなかった。「詩の人・若原」というのは見せられたけど「勝手に一人で喋ってる感じ」だったかもしれない。「分かるんだけど、面白いって感じではない」といった印象。

 私にしては珍しく、今までになく客席に視線を振って読んだ……つもりだったんですが、安定感がなく、かえって挙動不審だったかもしれない。
 お客さんを見た感じでは(一番手だったからかな)みなさん興味を持って視線は向けててくれたんだけど。全員が無表情で「詩の内容」や「頭に浮かんだ映像」を見てるというより「私自身をじっと見てる」感じ。警戒されてしるってほどではないけど、共感も面白がられてもいなかった。ただ見られてた。

 100点満点では、40点〜55点といったところだと思います。大スカはしなかったけど、勝利も得られなかった。客層を考え作戦を立て、演目を(アドリブなしで)きっちり決めておけば、もっと受けていたと思う。時間配分も甘めだった(タイムオーバーはギリギリセーフだった(と思う)けど)。
 今回、「自分がどうフランクに、順応的にステージをつとめられるか」を課題とし「あらかじめ内容を決め過ぎないでトーク・朗読に立つ」という挑戦してみたのだけれど。やっぱり、ガチガチに決めて、総力戦でやった方が私に向いているのかもしれない。

   *

 その後、客席で煙草を吸いながら、他の出演者のステージを見てました(なんだか煙草すってばっかりだな私)。

『悠々空間劇的』さんの演目は、2名ずつ4名が「即興劇の中で、相手チームにキーワードを言わせる」という、試合のようなゲームのような、即興ステージでした。劇というよりコントに近い感じでした。
 たとえばキーワードが『いただきます』だったら、いきなり先手を取って「プリン作ったの!」と攻めかけるとか。相手も相手で『あいしてる』と言わせるために「キャラメルソースで、なんか文字書いてよ」と罠をはる。新婚夫婦の演技をしつつ、冷静に勝ちも狙い話を作ってもいく。役者としてのキャパシティを必要とする演目でした。
 でも、面白いとか、手に汗握るとかいった感じでは無かったです。にやにやさせられる、時々ふふふと来る、そんな笑いでした。……が。お客さんの中に一人、馬鹿笑いを立て続ける女性がいて。私は「あんたうるさい!」「そんなに面白いか?」「あんたにとっては全てが笑いか?!」「常時テンパイなのか?!」「飲んでるのか? 笑い上戸なのか?!」と心の中で悪意が増殖しました。しましたとも。
 以前、どこかで『イベントをやった。知り合いやスタッフが最前列で笑ってくれた。場を盛り上げるためだ。でもそれがかえって迷惑だった』という話を読んだ覚えがあります。そんな状況だったのかもしれません。どなたかのお知り合いだったとか。

 ……むずかしいな、ライブって。

   *

『P.P.P.P.C.B.N』最後は小笠原淳さんでした。面白かったです。言葉がどもり、傷のあるレコードを再生したみたいになったかと思ったらそこから次の言葉に飛ぶ。うまい! おもしろい! かっこいい! それでいてどこか田舎のような……民話のような温かさもあって。さすがです。

 21時半ごろの時間帯で、お客さんが半分以上に減ってしまっていたのが残念でした。私のステージなんかよりぜんぜん見ごたえがあったと思います。
 ……私は一番手で得をしたんだろうか。いろんな人に見てもらえて。でも一番手としてもっとすべきこと……ワーッと盛り上げるとか……果たすべき役目もあったんじゃないのか。やはり「大スカもしなかったがヒットもしてない」自分だった。いろんなことを思いつつ、会は終わりました。

   *

 以前『月の庭』でお会いした河野宏子さんがいらしてました。ここでも「ひとの顔を憶えるのが苦手で自分の顔を憶えられるのが得意」という私の悪癖が発揮されてしまい。恥ずかしかったです。
 椿さん、小笠原さんから「水尾佳樹さんとはよく会いますか〜」ときかれました。水尾さん、『詩のボクシング』等でよく動かれてるものね。どこへ行っても、人はつながってますね(それだけ狭い世界だということでもありますが)。

 皆さんにご挨拶し、飯島さんにお礼を述べ『フェスティバルゲート』を出ました。23時も過ぎあちこちのシャッターが降りていたので……警備員さんがスタッフ出入口まで案内してくれました。
 私は、安宿『ホテルエスカルゴ』に向かいました。「安宿?」と不思議がる河野さん、小笠原さんに「寝れるだけ、でも一泊2000円もしない」と話すとびっくりされました。まあそうかも。地元の人は使わないよね。

 途中のローソンでパンとサイダーを買い、代金を一万円札で出したら、おつりの5000円札が樋口一葉の新札でした。綺麗だけど、能面づらでちょっと怖いよ新5000円札。(続く)
posted by 若原光彦 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 近況
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