2005年01月04日

書籍『プロペラ天国』

 漫画ですが、難解な話です。ネタバレになってしまうのであまり書けませんが、パラレルワールド(本当はそれともちょっと違う)のお話です──

 普通人間の妹(中1)と合成人間(一種のサイボーグ)の姉(中2)は中学で「恋愛探偵組」という私設クラブをしている。生徒の合成人間に襲われたり、スリリングなシーンもあったがなんとか無事に日々は過ぎてゆく。
 ……が、突然に謎の戦闘用合成人間が出現し、学園生徒は皆殺しにされる。
 そして次の章では、世界が一変している。妹(中2)と姉(中3)は「恋愛探偵組」を結成しておらず、喧嘩ばかりで仲が悪い。ただ「恋愛探偵組白書」という本を妹が所持しており、その小説の中では仲良く姉妹が活躍している。姉と仲良くしたい、優しい姉になってほしいと願う妹。しかし再び戦闘用合成人間が現れ、学園は修羅場と化す。

──つまり「中1の世界」「中2の世界」「小説の世界」がある訳です。全世界に共通して登場し、記憶もリセットされていない人物が話のカギになります。複雑な物語です。古本屋でなんとなく手に取り立ち読みしたところ、不気味で不条理で頭がこんがらがりました。でも全編にゾクゾクと魅力的で、他にない感じだったので買いました。
 丸っこくてかわいい絵柄で姉妹の学園探偵ものを展開するかと思いきや、アニメ調のかわいさ=嘘くささを利用して壊滅的な世界にシフトする。さらっとすごい事してんなあ、なんだよこの本は、どえらい人がいたもんだなあ、と正直たまげました。
 読み返してみると「こんな所でつじつまがあってる!」「こんな冒頭からもう話は始まってたのか!」と驚かされます。複雑な話が解きほぐされていく面白さ。全ての状況を理解したとき初めて感じられる、ラストの意味。
 ラストで、妹は中3になっています。「何度も繰り返される世界」でありながら「個々の人物の時間は止まらない」という、なんともムズがゆいSF状況。いやあ、ごっついもん書かはる人がおるんやねえ、という感じです。

   ◆

書名:プロペラ天国
作者:富沢ひとし(とみさわひとし)
FrogStarShip --富沢ひとしOfficialPage--
発行所:株式会社集英社
2001年9月24日第1刷発行
ISBN4-08-876212-6 C9979
定価 本体590+税
雑誌 44249-12
posted by 若原光彦 at 18:46 | Comment(1) | TrackBack(0) | 書籍
この記事へのコメント
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Posted by コピーブランド at 2014年06月10日 16:38
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