2005年01月04日

個人サイトと自己満足

 先日、偶然こんなページを発見しました。ちょっと読んでみてすぐに目からウロコ、全テキストをコピーし整理し印刷して読みました。作者はトッピーさん──

どうせ個人サイトと言わせない!75のヒント
http://toppy.net/hp/index.html

──ジャンルで言えば「サイト製作の心得メモ」でしょうか。名古屋周辺についての読み物サイト『Toppy.Net』のいちコーナーです。

 心得を説いたサイトの多くは「○○をしてはいけない」「○○は備えよう」といった『注意点の箇条書き』している場合が多数です。しかしそれは、サイト製作・運営の本質とはズレています。注意点をひとつひとつクリアしても、中身が無くては良いサイトにはなりません。仮に中身があっても、礼儀や更新が異質であれば受け入れられません。
「HTML等の基礎学習はこれからするところ。とにかくサイトを作ろうと思ってる」という人や「サイト運営に行き詰まっている」という人に役立つ文章は、ありそうでありません。
 トッピーさんの『どうせ個人サイトと言わせない!75のヒント』はその点をカバーした読み物です。『技術的な心得』を説くより前に(あるいは技術的な要点はすでに理解している人のために)『姿勢的・基本的な心得』を説いています。
 全編を要約すれば『何のためにあなたのサイトはあるのか?』『あなたに自己主張・自己表現・発信し続けたいことはあるのか?』という問いにつき詰められます。それは「掲示板は必要か?」「更新は義務なのか?」といった実用的な論点に向かいます。
 75のヒントは全て否定的な論調で書かれており(私も心あたりがありすぎて)相当キツイのですが、各章のラストにはトッピーさんのコメントがあり、辛いヒントの数々を(私たちと同じいちサイトオーナーとして)解説してくれています。一種類の論調で染めてくるのではなく、多数の視点を同時に持てるよう工夫されています。

 Webサイトは簡単に作れます。どんな手段で作ろうが、名刺代わりだろうが自己満足だろうが、私はあまり気にしません……自分のサイトでなければ。私は時々考えます。「自作を公開するためにサイトを作った」「だが自作を並べ評価を待つ段階はもう過ぎた」「では今サイトは何のためにあるのか。これから何処へ向かってゆくのか」。
 個人的創作(詩や文章、図画やパフォーマンス)は常に自己満足と隣り合わせです。自意識(美学など)が喪失(あるいは暴走)した瞬間にレベルが落ちます。一回ごとが真剣勝負……とまで神経すり減らさなくてもいいと思いますが、ときおり「何を目指すのか、どんな機能を持った何をするのか」と『姿勢的・基本的な問い』を持つことは必要だと思います。
posted by 若原光彦 at 22:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感
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