また本を読みました。荒木スミン『チョコレート・ヘヴン・ミント』幻冬舎文庫、島田雅彦『やけっぱちのアリス』新潮文庫、吉本ばなな『とかげ』新潮文庫、辻仁成『クラウディ』集英社文庫。
荒木スミン『チョコレート・ヘヴン・ミント』は改行が多く、とてもライトな感触でした。白倉由美の『夢から、さめない』をすこし思い出しました。角川スニーカー文庫にありそうな淡い甘いお話でした。浅田弘幸の表紙がとても合っています。
2ページびっしり「>>>>>」で埋め尽くされたいた部分もありました、甘さや改行の多さもですが、独自の空気を持っている作家さんのようです。
島田雅彦『やけっぱちのアリス』もライトでしたが、借金のカタに身売りされてる少年とか、噂を流しまくる少年とか、キコクとか登校拒否とか。救いのない、つまらない十代の縮図みたいな話でした。
心理描写や性の表現がうまかったです。格言的な文章もちらほらとあり、哲学的でもありました。鮮明な知識や実感がないと書けないように感じました。もっと読んでみたいな、この人。
吉本ばなな、辻仁成は安定的によかったです。気が静まります。一行ごとに祈りにつつまれているような感じがします。
余談ですが「辻仁成」の「辻」は本当は「辶」に「十」、しんにょうの点はふたつです。その字はパソコンでは出ないので「辻」としました。
*
3月4日夜『clubBL』さんでのレモンさん企画はとてもよかったです。サトルさんは強い眼力やオーラがあったし、ISAMUさんは捨て身で沸かせてくれたし、平林さんの対応性はナチュラルでかっこよかった。ツバキ嬢さんの即興「あいしてるわ〜」はヒリヒリしていてもキュートでもありました。レモンさんはリーディングもよかったですし、ユニット『無慈悲なパイプ』にも驚きました、ほんと底が見えない人だなぁ。……みんな、自由にそれぞれの道を駆け登ってる。
楽しかったです。それぞれの可能性を感じさせられた夜でした。自分のことも思いました。私はときどき自分の色や可能性を見失うから。
2005年03月07日
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Posted by スーパーコピー at 2014年06月10日 15:15
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