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先日、夜に台所でゴキブリを見つけたのでスプレーの殺虫剤を吹きつけたら、ゴキブリはどこかに逃げ、ガス漏れ警報機が鳴りだしました。
「ピピピピピピピピピピピピ……」
『あわわ、なんてこったい。意外と敏感でやんのな、こいつ。いつもは地味に床に転がってるだけなのに』
感心しててもしょうがない。慌てて警報機を拾い上げ、床から離しました。すると2秒でぴたっと鳴りやみました。
『この程度で止まるとは……こんな単細胞に台所あずけて大丈夫なんかな、俺』
科学生活の虚しさを感じた夜でした。
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先ほど、ひとつ発見をしました。……ネコって、涼しいところを発見するのが得意って言われてますよね。ありゃ、ウソです。人間にだって涼しいところと暑いところの差ぐらいわかります。『おっ、トイレの前って意外と涼しいぞ』とか『橋の下もなかなか良い』とか『裸になって食器棚のガラスにもたれると気持ちいい』とか。尻尾なんかなくたって、そのぐらいのことはわかります。
なのになぜ「ネコ」なのか。人間だってわかるのに。
答は「ネコは、涼しいところでじっとしていられるから」です。人間は涼しい場所を見つけてもじーっとしてられません。皿を洗わなきゃいけないし、服装も整えなきゃいけない。人間には予定があります。涼しいところを見つけても、見つけたことさえ意識できないで通り過ぎていくのです。
だからといって『はぁ……ネコっていいなぁ』とは思いませんけど。凡庸ですその発想は。憎んで余りある安易さです。という安易な結論でこの話を閉じる私の愚かさよ。夏が暑いせいです、きっと。みんな。全部。
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最近の活動報告をいたしますと──
・06-08(水):オープンマイク『詩のあるからだ』
・06-15(水):オープンマイク『詩の夕べ』
・06-26(日):オープンマイク『続ぽえ茶』初回
・07-02(土)03(日):トークライブ&オープンマイク&リーディングライブ『ぷれあい』UPJ3名古屋プレイベント
・07-13(水):オープンマイク『詩のあるからだ』
──と、出かけてきました。
『ぷれあい』はスタッフ、『詩のあるからだ』は主催司会としての参加でした。両イベントではいろいろ考えさせられました。後者では散会後に人と話してみて。前者では来てくださったお客さんの様子などから。
『詩のあるからだ』で、ある方が「例えば、若原さんなら若原さんというだけで『その人の世界だ』って尊重できるし、評価されてしまう」といったことをおっしゃっていたのが強く印象的でした。
同じことは感じていました。オープンマイクの主催者になってから気付いたのですが「私が結果以上に尊敬されている」ような気がするんです。半分ぐらいは自意識過剰というか、気のせいだと思いますけれど。四分の一ぐらいは当たってる気がします。
いろんな方から良く思っていただけるのは有難いんですが、私みたいなまだ途上の奴を見本だと思ってもらうと……リーディング全体を「こんなもの」かと思われそうで怖い気がします。また、私が自分で自分をチェックする意識も弱まっていきそうで不安です。
だからと言ってビシバシ厳しくされるのもヤなんですが。そういう立場になりつつあるのかもしれない、まえ以上にヘタが打てないようになってきているのかもしれません。でも教官がいるわけではないし、実戦の場は今のところオープンマイクしかない。
最近、いろんなことがひと段落して詩作もしてなかったんですが。精進せんとかんのやなぁ……と。
『ぷれあい』、いろんな方のリーディングが二夜で見れておもしろかったです。普段オープンマイクにいらっしゃらない方もいましたし、久々にお会いした方もいました。お客さん同士で「読まないの?」とせっつきあいながら、仲良くシビアに開催されました。みなさん、ありがとうございました。
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青い。スライム目立って青いです。いっつも笑顔です。口は真っ赤です。鮮やかです。ぽてっとした形状になごむのですが、じわっと冒険心もかきたてられます。……気分がいいです、こいつを見てると。
いいものもらっちゃったな。実用的な気がします。精神的に。
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あっ。言い忘れてました──
短歌ヴァーサス
http://www.fubaisha.com/tanka-vs/
──という短歌の雑誌があるのですが、このウェブサイトで週一回コラムを担当させて頂いてます。日曜を除く毎朝9時ごろ更新されますので、PCに向かうお仕事の方は15時の休憩にちまっと、そうでない方は夕食後にハハンっと読まれるのがよろしいと思います。