写真は鳥です。白い鳥が田んぼに何羽も立っていて、私が近づくとふぁさふぁさっと飛び立つ。バサバサ羽ばたくのではなく、ふわっと飛び立ちさあーっと静かに滑空します。フォルムがすごくスマートで美しくてため息が出ます。セラミックスで出来てるんじゃないかというくらいに白く、ぶれない。人間界にはない光景。奇跡的というか幻想的というか、そんな感じがするんです。みほれてしまう。
これは7月に撮影したものですが、この鳥は8月上旬の現在もあちこちにいます。なんて鳥かは知りませんけど。
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きのう(8月10日)は『詩のあるからだ』でした。当初は3人しかいなくてヒヤヒヤしましたが、20分押しではじめた頃には6人ぐらいになってました。ほっ。録音・レポートは追ってサイトにアップします。
一般のお客さんが多く、ざわざわしていてみなさんやりづらかったと思います。実際には誰も口にしなかったけど、微量に、それぞれ課題を感じてもらえたと感じています。
『短歌ヴァーサス』のWEBサイトコラムは順調に進んでます。……いや、順調か? あれ。なんか詩歌と関係ないことばかり書いてるような……ま、いいのか、それは。
思ってたほど超駄文は書いてませんね。そうだな、たまにはすごいバカバカしいのも書こうかな。「真空管って光るのか?」とかそんな。どんな?
話をオープンマイクに戻しますけれど。他の地域ではまた違うのでしょうが、名古屋のオープンマイク3箇所はどこも「一般客も入る飲食店」で行われています。そのため、名古屋のオープンマイクは「あたたかく楽しいリーディングへの入口・集まり」であると同時に「一般の反応がときどきシビアな場」にもなっています。「ディープさ・趣味」と「一般性・娯楽性」。「オープンさ・敷居の低さ」と「シビアさ・舞台」。あい反する要素を抱えています。
両取りできればベストなのですが、なかなかそうは行かないです。オープンマイクって、場が開かれているぶん役割が広範囲に渡っていて……どちらにどう向けばいいのかと悩むことがあります。あまりガチガチに固めて縛りたくないので“なんとなく”雰囲気を読んでやってますけれど。よくよく考えると不思議なイベント形式かもしれないな、オープンマイク。
……ってなことも『短歌ヴァーサス』WEBコラムに書こうかしら。あそこをご覧の方は超駄文なんかより、まじめな詩の話が読みたいんだろうしなあ。いちおう詩人代表みたいな形になってる訳だしなあ。でも私にゃさほど学のあることは言えんしなあ。感覚論も痛いしなあ。
コラムね、書いてみるとなかなか大変です。ネタ自体は幾らでもあるんですが、悪ノリしかけたり、やけに長くなってしまったり。このBlogでもそうですが、私は「一定の量の文章をスパンと書く」ことができないんだと思います。「文章量を予測して逸話を選べない」というか。ネットでしか文章を書いてないからかなあ。
詩では「全方位・全可能性を見て、使えるものは何でも使う」みたいな思考をしてきましたから。文章でも「なんでも突っ込もう」としてしまうのかもしれない。
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先月『続・ぽえ茶』へ行った際に、名古屋の本屋で『現代詩手帳』を買いました。私は詩誌ってほとんど買わない人なんですけれども。
2005年8月号は、特集が「戦後60年〈現代詩〉再考」です。荒川洋治・長谷川龍生・野村喜和夫・吉増剛造らの座談会とコラムが載っており、さらに60年間のアンソロジー「戦後60年名詩選95篇」が載っています。買いです。これは買いです。名詩選が面白くてしょうがない。こんだけバラエティに富んだ詩を一度に読める雑誌ってもうないぞ。
有名な詩もちょこちょこ入っていますが、そこはやはり専門誌ですから。あまり知られていないような作品も載ってます。『この時代にこんな凄いもん書いた奴がいたのかあ』と楽しく読めます。
全264ページの雑誌ですが、62ページから179ページまで、計117ページが「名詩選」にあてられています。がっつり読めます。お買い得です。
まだ「名詩選」の3分2しか読んでいませんが、私は女性の詩のほうが肌に合いました。(載っている詩では)女性の方が素直に内面や社会を切っているような感じがしています。
『続・ぽえ茶』の前に神宮の古本屋によりました。サクサクと読みやすそうだったので「ボブ・グリーン」という人の文庫を3冊(1冊50円)買いました。……が、まだ積んでます。はよ読まんと……なんでこう買ってしまうんだ……。
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そうそう、WEB同人詩誌『めろめろ』に林本ひろみさんが参加されました。おもしろくなりそうです。
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あ、谷川俊太郎さんのイベント『かっぱかっぱらったかい』行ってきました。意外な人にも会いました。帰りの電車でマンガについてとか話しました。『封神演義』が読みたくなった、とかそんな話を。……数年前には考えられなかったことだな。不思議だ。
質問タイムがあったんですが、谷川さんに質問できませんでした。マイクは回ってきたんですが、谷川さんが私に気付かないまま、次のコーナーに進行しちゃいました。もしくは、気付いてたけど「怪しい人だからパス」ってされたのかも。わはは。会場は親子連れや高齢のご婦人が多かったです。ま確かに『若者のリーディングの流れをどう見てるか』『ネットをどう思うか』なんて聞く雰囲気じゃなかったわなあ。
子供たちの質問は(怖くなるぐらいに)率直でした。「詩を書くのがイヤになったりしませんか」とか。『それを言うか!』と思いましたが『よくぞ聞いた少年!』とも思いました。このへん複雑な気持ちです。
谷川さんのリーディングは、自然体でした。それは「場数や年季にこなれた結果」というより「谷川さんの風貌や声色がそうした方向性を持っている」からだと感じました。もし谷川さんが西郷隆盛みたいな容姿で竹中直人みたいな声だったら何をやっても不自然に感じたでしょう。谷川さんのあの飄々とした声とルックス(ちょっと違うかな……)だから、何をやっても、誰もが安心して受け止められる。
テキストも朗読用という訳ではないのに、なぜかしっくりまとまって聞こえる。楽しめる。たぶん、谷川さんという人全体がそういう印象をまとっているんだと思います。自然でラフで、ユーモラスで国民的で壁を感じない。そういうキャラクター。
いわば「天然」でした。努力して獲得できるものじゃない。『こりゃ勝てんなァ』『天に二物も三物も与えられてるって感じだなァ』と思いました。やっぱすごいわ、あの人。
2005年08月11日
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