2005年09月16日

9月『詩のあるからだ』反省

 書こうか書くまいか悩んだのですが、やはり書いておきます。

   *

 昨日(9月14日)の『詩のあるからだ』、みなさんありがとうございました。

 今回、自分は「よみくらべスラム」で『正直がっかりしている』『この詞はもっと激しいものだと思う』といったことを言いました。

 そんなことを言った理由のひとつには、私にあの詞に対してそれなりの思い入れがあったからです。会の中でも少し話しましたが、某インタビュー番組を見てあのバンドに引かれ、『UPJ3』に出かける前に歌詞をネットで検索し、印刷して読みました。レビュー・評論的なことはここでは避けますが、とにかく私の中に私なりの「読み方」や「像」がしっかり出来上がっていた訳です。
 だから自分の価値観にあわない朗読を、非難してしまったのでしょう。

 また、オープンマイクというイベントに対する悩みも原因のひとつです。
 少し話がズレますが、オープンマイクはリーディングの鍛錬の場でもあり、趣味の集まりのうたげでもあり、一般客が詩に触れる開かれた場でもあります。
『詩のあるからだ』は開始半年以上になりますが、どの性質にもあまり進展がありません。趣味の集まりとして「めちゃくちゃ楽しい場」という訳でもないし、一般の人々が「いいもの見ちゃった」「面白いのがあるから行ってみない?」と思うこともない。何より、オープンマイクやスラムで「それぞれの向上や意外性」が見られない。ただの惰性的な集まりになっているのではないか。ここ二回ほど、自分にそんな不安や迷いがありました。
 オープンマイクは誰でも参加できる、比較的に敷居が低いイベントですが、そんなイベント形式でも、本気の挑戦者が見たかったんです。スラムも、ただのゲームとして技術的に遊ぶのではなく、本気で詩を読み込んだ朗読が見たかったんです。自分に出来もしないことを、突然ひとに求めてしまった。

 もうひとつ。先週『UPJ3』に行き、数日後には飛騨へ親類の葬儀に行っていました(この件は詳しくは書きません)。
 うまく言えませんが……。死や残された者の悲しみといった超シリアスな状況から日常に帰還し、ここ数日、私は日常のヌルさや感覚の鈍さに罪悪感というか……気持ち悪さを感じていました。前項にも通じるのですが、私はこの日、愛やひたむきさといったことを生々しく感じさせて欲しかったんです。

   *

 簡単にまとめれば、私の心が狭く不自由になっていたということです。八つ当たりも甚だしい。反省しています。

 オープンマイクの参加理由や目的はそれぞれにあり、主催の側で枠をはめることはできません。好みや志向の違う人を非難することも、発展的でない。それぞれの考え方がそれぞれに伸びたり達成されたりすることに意味がある。主催だからといって押し付けをしていいわけじゃない。
『詩のあるからだ』では、毎回、常連さんたちにすごく助けられていると感じています。本当に感謝しています。なのに今回、みなさんに若原の考えを押し付けてしまった。オープンマイクの自由さや温かみを主催みずから壊してしまった。反省しています。

 オープンマイクの役割や『詩のあるからだ』の方向性については、まだ明確な答が出せていません。ただ今回『「基本的に楽しく」ありたい、それを最優先事項にしよう』と思いました。

   *

 上記は「謝罪や反省」というより「分析・説明・言い訳・弁解」のようなものになってしまったかもしれません。ただ、帰り道になって「自分の何が問題だったのか」考えがまとまってきたので、書きました。

「自戒」という意味が強いのかもしれません。

 とりあえず、楽しい会を目指したいです。
posted by 若原光彦 at 00:40 | Comment(1) | TrackBack(0) | リーディング
この記事へのコメント
 こんにちは◎≫若原さん。
オープンマイクの主宰は、気遣いもあり、まとめたり、進行したり、楽しませたりのムードメーカーもあり、大変な仕事だと思います。
わたしは、サポートスタッフなのに、何もしていなくて、すみません。
いつも、若原さんに、感謝しています。
万が一にも、あなたが司会をされる『詩のあるからだ』が、途絶えてしまったら、本当にさびしいことでしょう。
みんなそうだと思いますよ。
それが、若原さんの魅力であって、実績でもあります。

あんまり、反省しすぎないでください。
あ、今度、高田の馬場のベンズカフェに、一緒に行きましょうね。
稀月真皓さんの、司会切り回しは、参考になるかもしれません。 
Posted by みおよしき at 2005年09月16日 11:09
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