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『いい! と思ったら購入すればいいし。ま、ものはためしだ。肌に合ったら長く使うことになるんだし、合わなきゃ試用で済ませればいいだけだし』と気楽にインストールしたのはよかったのですが、最初の数日は大変でした。『MS-IME』ではある設定がない。『MS-IME』にはない設定・用語・機能がうじゃうじゃあり、設定画面はゴチャゴチャで、どこをいじれば自分好みになるのかさっぱりわからない。
ずいぶんあちこちいじくり回し、変換辞書の割り振りもカスタマイズしたのですが……まだたまに『MS-IME』との差に戸惑うことはあります。
『ATOK』には簡易的な校正機能が付いているのですが、これはいいです。入力文字列を判断して「※謙譲語と尊敬語の混同」「※否定の連続」「※『を』の連続」なんてヒントが出ます。
あと、ちょっとした類語辞書機能(連想変換機能)があります。変換候補で「音」を選んで「Ctrl+Tab」を押すと「音響」「清音」「轟々」「さんざめく」「甲高い」など、音に関する用語がずらずらっと出てきます。これは便利だ。
一度入力した言葉を少ないストロークで出せる「省入力機能」というのもあります。小難しい文章を書く際に、用語を統一するには便利かな。
商標や人物名の変換、「カタカナ語⇔英単語」変換なども『MS-IME』より優秀みたいです。「芦屋雁之助」も「TETRIS(テトリス)」も「Australopithecus(アウストラロピテクス)」も一発で出ます。……何に役立つのかわかりませんが。
クリップボード履歴みたいな機能まであるようで……正直、ゴテゴテし過ぎという印象です。設定画面がもっと洗練されていれば……と何度思ったかわかりません。類語辞書機能は魅力的なんですけどね。購入するか見送るか、まだ結論は出せていません。
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いろいろな面で『MS-IME』の方が素直な感じです。『ATOK』は多機能で(校正機能など)気も利きますが、細部で頑固で偏屈な所があります(F9、F10の挙動など)。試用してみるまではずいぶん期待していたのですが、乗り換えを即決させられる程のインパクトはありませんでした。
でも『いろいろ困ったときには便利そうだし、腐るもんじゃなし、ポーンと買って入れちゃえばいいじゃん』と散財の悪魔が耳打ちしてきてもいます……。『ATOK』って、「無くても困らないけど、あると安心かもしれない機能」がいっぱいあるんです。どうしようかなあ。
とりあえずこのまま試用期間は終了して『MS-IME』に戻ろうかな。それで『ATOK』が恋しくなったら購入しよう、うん。
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hirax.net(hirabayashiさん)
http://www.hirax.net/
できるかな?:私たちの手で全てを描く(2002.12.07)
http://www.hirax.net/dekirukana7/atokmath/index.html
できるかな?:ようこそ「辞書単語登録プログラミング」の世界へ(2004.04.12)
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できるかな?:「辞書単語登録プログラミング」 面白一発芸 編(2004.04.25)
http://www.hirax.net/dekirukana8/atokperl2/index.html
──ぶわ!!! 知らなかった、『ATOK』ってユーザーでプラグインが開発できるんですね。で、こんなことも出来ちゃうと。……って、よく考えたら私はPerlが書けないし使えないんですけど。日時を入れるぐらいなら『Charu3』でやってますし、計算は電卓(アプリのではなく、卓上電卓)の方が手軽ですし。でも、面白いなあ。すごいなあ。すごいのかすごくないのかよくわからないあたりが何だかうれしい。
それにしてもこのサイト、素晴らしいです。技術もあるしウィットもあるし文章もうまいし読みやすいし面白いし……お馬鹿な実験ばかりかと思いきや、ちょっとホロッとくる話題もあったりして。すごい人って居るもんだなあ。さっそくブックマークしました。